22/04/2026
こんにちは、医局の吉田です。
今日は「普段どんなことを考えながら仕事をしているか?」と振り返った内容を共有させていただきます。
普段、栄養療法の選択など意思決定に関わる相談を進めていく際に、「なぜ、この判断になるのか?」「なぜ、そう考えるのか?」と思ったり、思われたりすることが多々あるなと思い、何が起こっているのかを臨床の学問の側面を一旦離れて、行動経済学や認知心理学などの観点をもとに考えてみるとこんなふうになりました。
当院で関わらせていただくタイミング:加齢に伴うフレイルの進行に加え、急性疾患の合併
元の生活環境への復帰が困難な状況下で、家族が直面する意思決定には以下の3要素が同時並列的に存在しているように思います。
・急性ストレス下
・代理意思決定(身代わりの重圧)
・時間制約(タイムリミット)
意思決定論の文脈では、これは「高ストレス × 不確実性 × 時間圧」が最大化した状態です。
この条件下では、脳は熟議(システム2)を放棄し、直感的・感情的な処理(システム1:ヒューリスティック)に依存せざるを得ません。
その結果、臨床現場では以下のようなバイアスが顕在化します。
損失回避性: わずかなリスクを過大評価し、現状維持を望む(プロスペクト理論)
後悔回避: 自分の選択が「引き金」になることを過度に恐れる(責任回避バイアス)
決断回避: 認知的負荷に耐えきれず、判断を先送りする(現状維持バイアス)
このような状況において、どんな「パターン」が起こっているのか、それはどのような反応によるものなのかを解釈できれば、自分自身の心理的レジリエンスが高まりそうだなと思いました。
次回以降も、この意思決定のプロセスをどう具体的に関わっていくと良さそうか、その粒度を下げて考えてみたいと思います。
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