17/02/2026
このたび、当科大学院生の歌方医師、現在留学中の三輪医師らの研究成果がAlimentary Pharmacology & Therapeutics (AP&T) に掲載されました。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/apt.70525
📝“Amino Acid Imbalance Is an Independent Factor for Mortality in Patients With Liver Cirrhosis”
(肝硬変患者におけるアミノ酸インバランスは独立した予後因子である)
■ 研究の背景
肝硬変では、
✔ 分岐鎖アミノ酸(BCAA)の低下
✔ チロシン(芳香族アミノ酸)の上昇
といった「アミノ酸インバランス」が生じることが知られています。
これまでは主に
・肝性脳症
・サルコペニア
・肝細胞癌
などとの関連が議論されてきましたが、
「死亡予測における独立した因子なのか?」
という点は十分に検証されていませんでした。
■ 研究デザイン
・岐阜県2施設による多施設後ろ向きコホート
・肝硬変患者 541例
・中央値 3.5年フォロー
・主要評価項目:全死亡
BCAAとチロシンの比(BTR)に加え、
それぞれのアミノ酸を個別に解析しました。
■ 主な結果
🔹 低BTRは独立した死亡予測因子(HR 0.82, p=0.004)
🔹 BCAA低値とチロシン高値は、それぞれ独立して死亡と関連
つまり、
👉 アミノ酸インバランスは単なる肝機能低下の“結果”ではなく、予後に直結する代謝異常である可能性
が示されました。
■ 臨床的意義
・BTRは簡便に測定可能
・栄養介入の指標になり得る
・リスク層別化に応用可能
特に、
「BCAAが低いこと」と
「チロシンが高いこと」は
それぞれ異なる代謝背景を持つ可能性があり、
今後の個別化栄養治療への示唆を与える結果と考えています。
本研究はAP&Tにおける月間最多ダウンロード論文に選出されました。
ご興味のある方はぜひご覧ください。
今後も肝疾患における代謝・栄養の視点から研究を進めていきます。
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