11/03/2013
読売新聞より
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20130307-OYT8T01610.htm
平塚市にある化学製品メーカー「エンブロイ」(和気道江社長)が開発した携帯型の除菌剤「ブロッカー」が、インフルエンザなど感染症の予防になると評判になり、約1000万個を出荷するヒット商品となっている。発生から間もなく2年となる東日本大震災の被災地を支援するため、袋詰めなどの作業は岩手、宮城、福島県で現地企業に委託して行っている。(森田将孝)
同社は介護施設や学校など向けに製造している二酸化塩素を使った除菌・消臭機の技術を応用し、二酸化塩素を染みこませた固形剤を入れた名刺大の袋を首から下げて使う携帯型の除菌剤を開発。1個880円(ストラップ無しは780円)で、2011年9月から販売を始めた。
ブロッカーは、二酸化塩素が空気中の水分などと反応し、周囲約1立方メートルの空気中にあるインフルエンザなどのウイルスや細菌を除去するという。使い勝手の良さから病院、大手企業などから注文が増え、ロンドン五輪の水泳日本選手団や地元のプロ野球・横浜DeNAベイスターズの選手らが移動中に使用したことでも注目が集まった。
ブロッカーは平塚市を拠点に生産している。しかし、同社の和気清弘・技術研究所長は大震災後、被災地では仕事が少ない状況を取引先から聞き、「小さな会社なので大金は寄付できないが、雇用創出につながれば」と、11年8月から岩手県陸前高田市で袋詰めなどの最終工程の作業を開始した。
現在ではこのほか、同県釜石市、宮城県石巻市、仙台市、東松島市、福島市などで、現地の企業を通して作業を委託している。今月も宮城県多賀城市で新たな作業所を開設させる予定だ。
一方、中国製や韓国製の類似品が出回り、対応に苦慮している。中国製の「ウイルスプロテクター」では、やけどの被害が相次ぎ、消費者庁が2月18日に同製品の使用を中止するよう注意喚起をする事態になった。
エンブロイ社にも「ブロッカーは大丈夫か」「どの製品が安全なのか」などと、問い合わせの電話が殺到した。同社では受注減も覚悟したが、その後も正規品を求めて注文が増えており、生産が追いつかないという。同社は今年1月に「袋入り抗菌剤」の名称で特許などを取得し、類似品の販売元に対しては警告書を送付したり、販売差し止めの仮処分を申し立てたりするなどの対応を続けている。
和気さんは、「被災地での作業は平塚市で製造するのに比べてコストはかかるが、少しでも東北の皆さんの力になれるように、委託は出来る限り続けていきたい」と話している。問い合わせはエンブロイ(0463・37・3541)へ。
(2013年3月8日 読売新聞)
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