08/11/2025
今回は「痩せる漢方薬」というイメージが強い「防風通聖散」についてお話ししました。
非常によく売られている漢方薬ですし、病院でもよく処方されますけども、
実は誰でも彼でも飲んでいいという漢方薬ではないんですね。
防風通聖散を飲むと、たしかにお通じが良くなったりして効果が出ている方もいるんですけども、
これを飲んで体調を崩してしまうっていう方も結構多いんです。
一番弊害が多い漢方薬とも言われています。
そもそも、防風通聖散っていうのはダイエットのための薬というわけではないんですね。
本来は、美味しいものを食べ過ぎたりして体に悪いものがたくさん溜まった状態。体にこもった熱を冷ましたり、悪いものを追い出す、そういう薬なんですね。
油っこいものとかカロリーの高いものとか食べていると、そういったものは熱を生み出しますので、体内に熱がこもった状態になるんですが、
この熱とか老廃物を放置すると、血液がドロドロになって、高血圧や動脈硬化、ひいては脳卒中や心臓病につながってしまうので、
そうならないように熱とか悪いものを追い出しておこうという、そういう薬なんですね。
では、防風通聖散はどのように熱や悪いものを追い出すのか?
防風通聖散にはこういった生薬が配合されていて、これらが主に4つの働きをします。
1. 発汗(汗をかかせて、追い出してしまう)
防風・荊芥・麻黄・生姜・薄荷・連翹
2. 清熱(熱を冷ます)
山梔子・黄芩・石膏・桔梗
3. 利水(おしっこでいらないものを出させる)
蒼朮・滑石
4. 瀉下(下して便でいらないものを出させる)
大黄・芒硝・甘草
そういった働きをするんですね。
そういった働きをするので、体質が合わない人が飲むと体調を崩してしまうことになります。
例えば、
汗っかきで体力がないような人が飲むと、余計汗をかかせてしまって、エネルギーが消耗して疲れやすくなったりします。
体が冷えている人が飲むと、余計に体が冷えて体調を悪くしますし、
便秘ではない人が飲むと、下痢をする可能性があります。
ですので、体が虚弱で冷えやすい人、胃腸が弱くて軟便や下痢気味の人、
そんな方は体力を消耗し体調を崩してしまう可能性があるため、飲まないようにしたほうがいいですね。
では、防風通聖散が合うのはどのような人でしょうか?
ざっくり言うと、
食欲旺盛でよく食べて、便秘がちな人。
体に熱がこもっていて、ほてったり、暑がりな人。
おしっこの出が悪く、色が濃いような人。
ダイエット目的で飲む場合は、どちらかというと、太鼓っ腹で、固太りのタイプですね。
色白でブヨブヨした水太りのタイプの人には合わないことが多いですね。
ネットとか通販とかでは体質に関係なく「やせる薬」として販売されていますが、
漢方薬とかサプリといえど、必ず専門家に相談してから購入することをお勧めします。
安全と思われがちなものでも、弊害が起きる可能性がありますんでね。
ご自身の体質に合うものを飲みましょう。