19/03/2026
「エコーで毎回、順調ですよって言われてたんです。なのに…」
この言葉を、私は何度聞いてきたでしょう。NIPTで陽性が確定した後、それまでの経過を振り返って話してくださる患者様の声です。医師である私にとっても、この現実は毎回、重く胸に響きます。
エコーは赤ちゃんの「かたち」を確認するための道具であり、染色体そのものを調べる検査ではありません。当院のデータでは、NIPTでダウン症と確定した方の9割以上が、妊婦健診のエコーで「異常なし」とされていました。
これは主治医の先生方の問題ではなく、エコーという検査方法そのものの限界です。通常の妊婦健診は「赤ちゃんが元気かどうか」を確認することが目的であり、染色体異常の微細なサインを探し出すことを目的とした検査ではありません。
今回、ダウン症のエコー所見として報告されている22項目を、妊娠週数別に丁寧にまとめた記事を公開しました。NT肥厚(首のむくみ)、鼻骨低形成、単一臍帯動脈(へその緒の動脈が1本しかない状態)、心内膜床欠損などの心奇形、十二指腸閉鎖(ダブルバブルサイン)、サンダルギャップ(足の指の間が広く開く)……それぞれの所見を、できるかぎりわかりやすく解説しています。
でも、最後に私がいちばん伝えたいのは、こういうことです。
「エコーで指摘がなかったから大丈夫」という安心は、必ずしも正しくありません。「指摘がない=異常がない」ではないことを、まず知ってください。そのうえで、もし不安があれば、一緒に考えましょう。
当院では妊娠9週から通常のNIPTをお受けいただけます。また、12週を過ぎると中絶が「出産」扱いとなり職場に知られてしまうリスクを心配される方のために、妊娠6〜8週の早期NIPTを臨床研究として実施しています。特に8週での受検をお勧めしており、その理由は再検査率の低さと、陽性後に確定検査を行う時間的余裕が生まれることにあります。
NIPTの結果が出るまでは10〜14日程度いただいています。検査は早さより正確性が大切だと考えているからです。その分、陽性後の確定検査(羊水検査)は院内で完結し、主要項目の結果は3日以内にお伝えできます。陽性後も何度でも無料で遺伝カウンセリングを行い、心のケアまでしっかり寄り添います。
「検査で終わらせない、出生前診断。」これが当院のスタンスです。
記事はこちらからご覧いただけます。
https://minerva-clinic.or.jp/nipt/column/t21-echo/