20/11/2025
◆論文アクセプトの報告◆
本日は嬉しい報告です。当院の中西陽子先生が1st authorで執筆した以下の論文がInternal Medicineにアクセプトされました。おめでとうございます!
以下、簡単にご紹介いたします。
Title: Analysis of Four Patients Discontinuing Idecabtagene Vicleucel after Leukapheresis due to Multiple Myeloma Progression
Journal: Internal Medicine
Authors: Yoko Nakanishi1 (M.D.), Masaki Ri1&2 (M.D., Ph.D.), Shiori Mizutani1 (M.D.), Nozomi Nish*tarumizu1 (M.D.), Yuki Furukawa1 (M.D.), Yukiyasu Kato1 (M.D.), Hirokazu Sasaki1 (M.D.), Arisa Asano1 (M.D., Ph.D.), Shiori Kinosh*ta1 (M.D., Ph.D.), Tomotaka Suzuki1 (M.D., Ph.D.), Tomoko Narita1 (M.D., Ph.D.), Shohei Mizuno3 (M.D., Ph.D.), Hiroyuki Miyash*ta4 (M.D., Ph.D.), Takaomi Sanda1(M.D., Ph.D.), Takanori Nanri2, Hirokazu Komatsu1 (M.D., Ph.D.), Shinsuke Iida1 (M.D., Ph.D.)
1 Department of Hematology and Oncology, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences, Nagoya, Japan
2 Department of Blood Transfusion and Cell Therapy, Nagoya City University Hospital, Nagoya, Japan
3 Division of Hematology, Aichi Medical University, Aichi, Japan
4 Department of Hematology, Yokkaichi Municipal Hospital, Mie, Japan
〇先生よりコメント
◆論文の要旨/論文のウリ◆
本研究では、リンパ球アフェレーシス後に急速な病勢進行を認め、最終的に idecabtagene vicleucel(ide-cel)投与に至らなかった4例の臨床背景を後方視的に検討しました。特に、非分泌型および penta-refractory 症例の割合が多く、アフェレーシスから輸注中止決定までの期間は中央値 44.5 日(24–71 日)でした。
これらの臨床的特徴をもつ患者では ide-cel 治療の完遂が困難となる可能性が示唆され、より早期段階での ide-cel 導入ならびに有効なブリッジング戦略の確立が課題と考えました。
本研究の特徴は、リンパ球アフェレーシスまで到達したにもかかわらず最終的に ide-cel 投与に至らなかった患者に焦点を当てた報告が極めて少ない中、非分泌型患者に対する CAR-T 細胞療法や二重特異性抗体などの新規免疫細胞療法の有効性に関する報告も乏しいことを踏まえ、これらの臨床像を詳細に記述した点にあります。
◆指導医よりコメント◆
今回まとめてくれた内容は、日常診療でも悩ましい「アフェレーシスまでは進んだのに、最終的に ide-cel まで到達できなかった患者さん」の状況を丁寧に整理しており、参考になる内容となっています。
非分泌型や penta-refractory の患者さんで治療完遂が難しくなる可能性を示した点も、実臨床の感覚に近く、よくまとまっていると思います。また、早めの治療導入やブリッジング方法の工夫が必要になるという示唆も、今後の治療を考えるうえで役立つ視点だと感じます。症例数は限られていますが、臨床の現場に寄り添った貴重な報告だと思います。(李政樹)