03/12/2025
✦ いま「1人開業」が認められない本当の根っこ
2000年代からずっと、自費訪問看護の世界は“いつでも突っ込まれ得る”弱い立場のままだった。
実際、今のホワイト化・コンプラ社会で、フリーランスのナースを叩くのは簡単。
公式の場で真正面から対抗できるだけの芯や法的知識を持つナースは限られている。
それでも、この20年のあいだに現場が少しずつ自由を得てきたのは、
現場のナースが声を上げ続けてきた積み重ねがあったからだと思っている。
今の自費訪問看護の環境は、
あたり前に自然発生的にできたものではない。
無数の現場の“実践と本音”が積み重なって形になってきたもの。
だけど今。
その歴史を知らずに“できて当たり前”と思っているナースも増えている。
だけど事実は逆で、
1人開業が認められていないという現実こそ、
いまの自費訪問ナースがどれだけ法的・制度的に弱い立場かを示している。
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・行政解釈が地域でバラつく
A県では問題なしでも、B市では「それ違反です」と言われる。
どれだけ丁寧にやっていても、立場の弱さゆえに事業が止まり得る。
・医療事故時の“制度の空白”が個人を直撃する
保険外とはいえ訪問行為は看護行為。
事故やクレームが起きたとき、
「誰の監督下なのか」「どの枠組みで判断されるのか」が曖昧なままでは、
ナース個人が矢面に立つ可能性が高い。
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法解釈のグレーゾーンを残したまま走るのは、
現場にも利用者にもリスクしかない。
だから——
人員配置要件の撤廃、
“1人開業”の明文化された制度化を推進したい。
これは、好き勝手に動きたいからではなく、
これまで積み重ねてきた“現場の自由”を未来に残すため。
そして、弱い立場のまま働かされ続けるナースをひとりでも減らすため。
「誰かの力で守られる自由」ではなく、
制度に支えられた“正々堂々の自由”へ。