02/03/2026
2月26日木曜日、東大阪市文化創造館にて「バリアフリーな選挙参加と社会参加を推進するためのシンポジウムとワークショップ」が開催されました。創思苑をはじめ複数の事業所による共催で、キリン・福祉のちから開拓事業から助成をいただき実施したものです。当日は約140名もの方々にご参加いただき、会場は大いににぎわいました。
選挙権は満18歳以上のすべての国民に保障された大切な権利です。しかし現実には、障害のある方の中に「投票したくても投票できない」人がまだ多くいます。そうした状況を変えたいという思いから、私たちは約2年半にわたり選挙について学び続けてきました。選挙学習小辞典『せんきょのことば』を作成し、模擬投票を重ね、実際の期日前投票にも何度も足を運んできました。
今回の催しは、その取り組みの集大成ともいえるものです。私たちにとって、ひとつの大きな節目となる、感慨深い一日となりました。
第一部のシンポジウムでは、長年選挙の勉強会を牽引してくださった菅谷泰行さん、日本障害者協議会副代表の園部英夫さん、そしてNHK報道局プロジェクトで活動されている視覚障害のある杉田淳さんが登壇されました。障害のある人を取り巻くさまざまなバリアの現状や、それを乗り越えて選挙参加を進めていくための取り組みについて、豊富な知見に基づく貴重なお話を伺いました。
また、選挙の勉強会に参加してきた、当事者の方と職員がそれぞれの思いを語りました。これまでバリアによって遠ざけられていた「選挙」を学び、自ら投票に行くことで政治に参加できる。そのよろこびに満ちた言葉が、とても印象的でした。職員にとっても、それらの経験は大きな学びとなりました。
第二部のワークショップ「『やさしいことば』の考え方とつくり方」では、菅谷さんより、選挙学習小辞典『せんきょのことば』の作成過程を通して見えてきた「知的障害のある人にとってわかりやすい文章をつくるためのヒント」について、具体例を交えながらお話しいただきました。その後、グループに分かれ、「やさしいことば」を実際に考える演習を行いました。
1テーブル5〜6名の参加者は、障害のある当事者、新人職員、支援学校の教師、飛び入り参加の方などさまざまです。立場の異なる人たちが、「国民」や「明るい選挙」といった普段何気なく使っている言葉を、わかりやすい文章に言い換えるために真剣に向き合いました。
自分の驚きが誰かの学びになり、誰かの発見が自分の気づきにつながる。そんな場面が、あちこちで生まれていました。私にはそれが、「気づきと学びが路上に出る」瞬間のように感じられました。施設の中で育まれた気づきや学びが外へと広がり、街の中で立場の異なるさまざまな人と出会い、そこからまた新しい色や音を生み出していく。今回の催しは、その第一歩の始まりだったように思います。
いつかどこかの路上で、また皆さんとお会いできることを願っています。(Ⅲ 會田)