25/10/2025
二度寝の功罪と上手な付き合い方 〜夕方うっかり寝てしまうあなたへ〜 ■ はじめに 「仕事や学校から帰ってきたら、ついソファで寝てしまう」「気づいたら1〜2時間たっていて、夜眠れない…」そんな“二度寝スパイラル”に悩む方は少なくありません。疲れをとるつもりが、かえって生活リズムを崩してしまう。今回は、二度寝の功罪と上手な対処法を、医学的視点からお伝えします。 🩺 クリニックからのコメント当院でも「夕方眠くて動けない」「寝すぎて夜眠れない」というご相談をよく伺います。実は少しの工夫で、この悪循環を断ち切ることができます。 ■ 二度寝の「功」〜良い面〜 二度寝には実はメリットもあります。 短時間なら疲労回復に役立つ 20〜30分程度の昼寝は「パワーナップ」と呼ばれ、脳のリフレッシュに有効です。 注意力・記憶力・気分を一時的に改善する効果があります。 副交感神経が優位になりリラックスできる 一日の緊張がほぐれ、ストレス軽減につながる場合もあります。 ■ 二度寝の「罪」〜悪い面〜 しかし、夕方〜夜にかけての長時間の二度寝は要注意です。 体内時計のリズムが崩れる 夕方以降に長く眠ると、夜の睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が遅れ、 入眠時間が後ろにずれます。 深夜の寝付きが悪くなる 「寝たいのに眠れない」「朝起きられない」という悪循環の原因になります。 睡眠の質が低下する 夜間の眠りが浅くなり、翌朝のだるさ・頭の重さを感じる人も少なくありません。 ■ 二度寝を減らすための具体的な対策 ① 夕方の「眠気の波」を予防する 夕方の眠気は、血糖値の変動と体温のリズムによって起こります。以下を意識してみましょう: 帰宅直後に軽いストレッチや深呼吸 夕食前にコップ1杯の水を飲む(脱水による眠気防止) お風呂は寝る直前ではなく、夕食後1〜2時間後に ② 「仮眠」を上手にコントロール どうしても眠いときは、15〜20分だけ目を閉じる「パワーナップ」がおすすめ。 アラームをセットして寝過ぎを防ぐ ベッドではなく、ソファや椅子など「浅い眠り」になりやすい場所で 眠る前にカフェイン(コーヒーなど)を少量飲むと、起きる頃にちょうど効いてスッキリします ③ 朝の目覚めを整える 朝はカーテンを開けて日光を浴びる(体内時計リセット) 起きたら軽く体を動かす(交感神経を刺激) 朝食をとることで体内リズムを「朝型」に戻します ④ 眠気の背景に病気がある場合も 睡眠時無呼吸症候群や甲状腺機能低下症、うつ病などでも日中の強い眠気が見られます。「日中どうしても眠い」「寝ても疲れが取れない」といった場合は、一度医療機関にご相談ください。 ■ おわりに 二度寝は「悪」ではありません。しかし、時間・タイミング・長さを間違えると、体内時計のバランスを乱し、心身の不調につながります。 大切なのは、「眠気を敵視せず、味方につける工夫をすること」。 毎日が少し楽に、心も体も整うように、“自分に合ったリズム”を見つけていきましょう。
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