15/03/2026
五苓散は気圧頭痛に効くのか― 天気痛と漢方医学 ―
五苓散は気圧頭痛に効くのか ― 天気痛と漢方医学 ― いのうえ内科脳神経クリニックの井上です。 外来で頭痛の患者さんを診ていると、「雨が降る前に頭が痛くなる」「台風が近づくと頭痛が出る」といった相談を受けることがあります。 このような頭痛は 気圧頭痛 や 天気痛 と呼ばれ、天候の変化と体調の関係を感じている方は少なくありません。近年では、気圧の変化が自律神経や内耳に影響を与え、頭痛の引き金になる可能性も指摘されています。 一方、漢方医学ではこのような症状を 水毒(体内の水分バランスの乱れ) などの概念で説明することがあり、その治療薬の一つとして 五苓散(ごれいさん) が用いられることがあります。 今回は「五苓散は気圧頭痛に効くのか ― 天気痛と漢方医学 ―」というテーマで、気圧頭痛と漢方医学の考え方、そして五苓散がどのような場合に役立つ可能性があるのかについて、脳神経内科の視点から整理してみたいと思います。 天候の変化で頭痛が起こる方の参考になれば幸いです。 いのうえ内科脳神経クリニック脳神経内科医 井上健 はじめに 頭痛外来をしていると、患者さんからよく次のような相談を受けます。 「雨が降る前に頭が痛くなります」「台風が近づくと必ず頭痛が出ます」「天気が悪いと体調が悪くなります」 このような症状は一般に 気圧頭痛天気痛 などと呼ばれています。 気圧の変化によって頭痛が起こるという経験は、多くの方が持っています。しかし医学的には、その仕組みはまだ完全には解明されていません。 このような気圧頭痛に対して、漢方薬の 五苓散(ごれいさん) が用いられることがあります。 今回は、五苓散と気圧頭痛の関係について、脳神経内科の視点から考えてみたいと思います。 気圧頭痛とは 雨や台風の前には 気圧が低下 します。 気圧が下がると体にはさまざまな変化が起こります。 例えば 自律神経のバランスの変化 血管の拡張 内耳への刺激 などが頭痛の引き金になる可能性があります。 特に 片頭痛体質の方 では気圧の影響を受けやすいことが知られています。 内耳と気圧センサー 最近の研究では 内耳が気圧変化を感知している...