09/09/2025
9月6日のカウンセラー養成集中講座は、午前の部はリラプス・プリベンションを、そして午後は発達障碍とグレーゾーンについての講義でした。
発達障碍については、今週末のWEB講座でもやりますので、またその後で内容は簡単に書くこととし、今回はリラプス・プリベンションについて書きますね。
このところ特に増えてきたゲーム依存のカウンセリングでは、依存状態の脱出が主な目的となり、応用行動分析(ABA)や認知療法、また解決志向アプローチなどを使って、スモールステップで行っていきます。
そしてカウンセリングに親子で来られる場合は大抵これで脱出でき、意外とアルコール依存やギャンブル依存と違って元の依存状態に戻る(これを「リラプス」と言います)ことはあまり無いのですが、やはりカウンセラーとしては万が一またゲーム使用時間が増加した時(これを「スリップ」と言います)に備えて対処法を学んでおく必要があるんですね。
それが「リラプス・プリベンション」であり、これは再発防止を目的とした応用行動分析の療法です。
ゲーム依存に限らず、依存症の人はスリップ(ラプス)したときに、罪悪感や無力感を感じ、自己肯定感の喪失が生じることが殆どです。
ただその時、そのスリップだけに食い止め、リラプスつまり以前の依存状態へ逆戻りすることだけは防がねばなりません。
そこで、一般的にはABAは「行動」の後にある「後続刺激」が何であるかを重視するのですが(ここのところは以前の行動分析のページを参照ください)、このラプスが起きた時は再発防止のために、ゲームという問題行動の引き金(先行刺激)が何であるかを突き止める必要があります。
例えばそれは友達に誘われたのかもしれませんし、学校の勉強についていけなくなって落ち込んだからかもしれません。
それらの引き金への対処法を学習するわけですね。
例えば友達にしばらくは誘ってくれるのを控えてもらうとか、勉強についていけなくなったのならわかりやすく教えてくれる人を探すとか。
またそのような禁止するやり方だけではなく、できるだけゲームの欲求が起きた時に、別の行動が取れるようにカウンセラーや親と一緒に工夫をし実行する練習をすることが大事です。。
何故かというと、欲求が起きた時に禁止とか我慢しようとすると、却って余計に頭の中にゲームが浮かんでしまい、苦しくなってしまうことが多いから…(これで僕も昔タバコを止める時に苦労しました)。
ところで、最初に嵌ってしまった時、簡単に脱出した人、つまり少ないカウンセリングで済んだ人は、その時に低かった自己肯定感の立て直しまではしっかりやっていない場合があります。
そういうケースでは、これはこれでセルフ・エスティーム(自尊感情)を確立する良い機会だと告げて、そちらも並行してカウンセリングを行っていく場合があります。
ちなみにセルフ・エスティームというのは、自尊感情という言葉のイメージで、自分を尊いと考えることという意味に拘束されてしまう人も多く見かけられます。
もちろんその意味もありますが、あまり「尊い」を意識しすぎると、何か「優れてなければいけない」ような認知に陥ってしまうリスクがあるんですね。
でもセルフ・エスティームにおいて重要なのは、
・自分は捨てたもんじゃない
・自分を許す(「できない」「劣っている」ところがあろうが)
・自分の失敗を受け入れる(「次はモアペターにやればいい」)
ということです。
大切なのは「自分の未来」であり、また「自分の可能性」なんですよね。
この内容は第3土曜、そして第2日曜と第3日曜にも行いますので、よろしければぜひご参加ください。
【Copyright(c) この内容の著作権は(同)ベルコスモ・カウンセリングに有り無断転載 無断複写は禁止されています】
カウンセラー養成集中講座は第1と第3土曜(どちらか選択)です。
https://npo-jisedai.org/kouza.htm
ベーシック集中講座は毎月第2日曜と第3日曜(どちらか選択)に開かれます。心理学は初めての方でもご参加いただけます。
https://npo-jisedai.org/basic.html
WEB講座は第2土曜の午前中です。WEBでのリモート講座はこちらです。↓
https://npo-jisedai.org/webkouza.html
ご参加のお申込みやお問い合わせは下記ホームページから、またはメール( info@npo-jisedai.org )にてお願いいたします。
他にも毎週講座は月曜の午後に開いております。
詳しくはホームページをご覧ください。
WEBで対面授業のリモート心理カウンセラー養成講座 カウンセリングの通信学習教室