30/11/2022
『髪切りましたか?』
『気付いてくれた?』
『よく似合っていますよ』
『ありがとう。そんなん言うてくれるの先生だけやわ。だけど、私の担当の美容師の方、辞めるみたいやの』
『何でですか?』
『なんかね、ずっと腱鞘炎に悩まされてて、ハサミ持っている間は治らないから辞めるんだって』
『腱鞘炎、治らないんですね』
『そうなの。職業病だから仕方ないって言ってたわ。』
『だけど、同じ美容師でも腱鞘炎にならない人もいますよね?』
『そうなのかなぁ』
『もしかして、その美容師の方、色が白くてぽっちゃりしてませんか?』
『え、先生知ってるの?』
『いいえ』
『なんでわかるの?』
『その方、きっとむくみ体質なんですよ。言い換えれば、関節痛、神経痛になりやすい体質』
『そんなのあるの?』
『はい。腱が浮腫んでいるからハサミを動かすことで擦れて炎症を起こす、そうですね…わかりやすく言えば、家に木の引き戸ありますよね?』
『うん。あるよ。』
『ふすまでも良いのですけど、時々開け閉めしにくい時って無いですか?なんか引っ掛かってガタガタガタっていう時』
『うん。あるある。今日みたいな雨の日とか』
『そう!まさに雨。湿気の多い時です!湿気により木が膨張して、それでレールに引っ掛かる。だけどそれを無理に開け閉めしたらどうなりますか?』
『傷が付くわね』
『そう!それと全く同じ事が美容師の方の腕に起きているんです。』
『へぇー』
『今日開け閉めしにくい引き戸も翌日元に戻ってたりするでしょう?』
『そうね。』
『なので、湿気(むくみ)が取れたら治るという理屈なのです。』
『美容師の先生も治るって事?』
『そうですね。恐らく美容師の方は痛いところを中心に治療されていたと思います。だけどそれでは治らない事はこれまでの話の通り。やはりむくみの問題を同時に治していかなくては根本的には治らないのです。これは五十肩やばね指にも言えることです。』
『どうやったらむくみは治るの?』
『これが難しくって、東洋医学では脾臓とむくみ体質が関係あるとしていまして…』
『ちょっと難しそうね』
『そうですね、脾臓を語り出したら止まらないのでまた次の機会に。』
☆脾臓メモ☆
脾臓は水の代謝をつかさどる。(リンパ系含む)
脾臓は胃と協調して消化吸収の働きを担う。(西洋医学の膵臓的機能を含む。古代では膵臓の存在がわからなかったため)
脾臓の異常は口に現れる。口内炎、口角炎、唇の荒れ
脾臓に問題があると甘いものが欲しくなる。