28/02/2019
桜の満開予想が出始め、にわかに春らしくなってきました。
暖かくなる日が増えて嬉しくなる一方、心身の不調を訴える方も増えるのが春。
当院では様々な症状に対する治療を行っています。
今回は不妊治療について書こうと思います。
不妊と聞くと、対象は女性でしょ?と思う方がほとんどですが、なんと50%は男性側の理由によるもので、原因の90%が「造精機能障害」です。
これは精子をつくるときに大きく関係している男性ホルモンがうまく機能しないために起こる障害です。
リスクファクターは主にストレス、アルコール、喫煙、肥満・糖尿病などの身近なもの。
ちょうど男性は30代から仕事で忙しくなる時期で、ストレスやアルコール摂取が多くなる年代でもあります。
また、平成23年の厚生労働省の統計によると、35歳以上の女性の出産率は10年間で倍以上増えており、今後も緩やかながら上昇を続けるだろうと予想しています。
さらに男女ともに晩婚化が進んでいて、20代の未婚者の割合は2015年時点で全体の6割~7割にも上っています。
これらのことから、女性は身体の妊娠・出産適齢期で男性は造精機能障害が起こりにくい20代に婚姻・妊娠・出産を迎えることができなくなってきていることがわかります。
このご時世致し方ないのかなという気もしますが、授かりたい夫婦にとって妊娠は切実な問題。妊娠出産は女性がするものだからと女性だけが孤独に治療をしたり、正しい理解が得られなかったり、相談する人がいないために不妊治療は表に出てきづらいのが現状。
しかし、前述のように半分は男性にも原因がある可能性がありますから、男性にも積極的に参加してほしいのが理想です。
どんなに技術が発達してもまだ女性一人だけで子供をつくることはできません。
そのためにはお互いが普段から話し合える関係であることが大事。ただでさえデリケートな問題ですから、信頼関係を築けていなかったり婚前に妊娠出産について確認していなかったりするとすれ違い、それがきっかけで離婚に至ることもあります。
「夫婦生活は死ぬまで続く会話である」
と哲学者ニーチェは言いましたが、本当にそうですね。
では、最後にツボのご紹介です。
【腎兪(じんゆ)】
背骨から指2本分外側のちょうど前ならえの姿勢の時に腰に手を当てた親指の部分。
腰痛、ぎっくり腰などの腰の諸症状のほかに生殖器・泌尿器疾患に効果が期待できる。
息を吐きながら親指で押して指先を回すようにゆっくり回すのがコツ。
子どもが欲しいあまり、ついその一歩前の夫婦のコミュニケーションを忘れがちです。
お休みの日はご夫婦でこのツボマッサージでお互いを労ってみてはいかがでしょうか。
何気ない会話をしながらでも。