いしづかクリニック

いしづかクリニック 地域のかかりつけ医として、会話を大切にした心温かい、人に寄り添う本?

腎不全の治療において血液透析、腹膜透析ともうひとつの治療としての腎移植について説明します。<概要> 進行した腎不全の治療法には、大きく分けて2つの治療法があります。ひとつは、人工的に、腎臓の働きを補う「透析」、もうひとつは、他の人から提供し...
27/10/2025

腎不全の治療において血液透析、腹膜透析ともうひとつの治療としての腎移植について説明します。
<概要>
 進行した腎不全の治療法には、大きく分けて2つの治療法があります。ひとつは、人工的に、腎臓の働きを補う「透析」、もうひとつは、他の人から提供して頂いた腎臓を移植する「腎移植」です。「腎移植」は、病気で働きを失った腎臓にかわり、提供して頂いた健康な腎臓にその働きを代行してもらう方法です。「透析」は、腎臓の機能をすべて代行することはできないため、現時点では「腎移植」が腎不全の根本的治療法といえます。
<症状>
 腎不全とは、「腎臓の働きが低下(20~30%以下)し、体内の老廃物のろ過や水分・塩分の排泄などが十分行えない状態」をいいます。はじめは、さほど目立つ症状はありませんが、徐々にむくみ、貧血、吐き気、高血圧、さらには意識障害に至る尿毒症や、水分過剰に伴う呼吸困難、心不全が生じ、治療せずに放置すると死に至ります。
<診断>
 腎不全には、急性に起こるものと、慢性に起こるものとがあり、それぞれ原因が違います。急性腎不全は、大けが、大手術後、重症感染症、中毒などにより起こり、腎臓の働きは元通りに回復することもあります。慢性腎不全は、腎炎や糖尿病性腎症など、腎臓の病気によって起こります。治療によってある程度進行を遅らせることはできますが、少しずつ腎臓の働きが低下して、回復は期待できません。腎不全の程度は、採血検査、検尿、24時間尿をためる検査等で評価していきます。
<治療>
 慢性腎不全に対する治療は、「血液透析」、「腹膜透析」、「腎移植」があります。腎移植には、大きく分けて「生体腎移植」と「献腎移植」とがあります。生体腎移植は、主に身内の方(血縁6親等以内、姻族3親等以内)で腎臓を提供してくださる方(ドナー)から、2つある腎臓のうち1つを頂いて、患者さん(レシピエント)に移植する方法です。提供者の方が、腎提供後に腎不全にならないことが絶対条件です。そのために、必要な検査を受けて頂く必要があります。一方、献腎移植は、脳死者または心停止の方から腎臓の提供があった場合に、その腎臓を移植する方法です。臓器移植ネットワークに登録していただき、腎移植を待機することになります。2012年の統計では日本全国で生体腎移植1,417例、心停止下献腎移植116例、脳死下献腎移植77例でした。腎移植を行うと、老廃物や余分な水分が尿として移植した腎臓で作られ、自然に排泄できるようになり、全身の状態も安定します。恒常性の面からも、健康な人とほぼ同等になります。また透析治療から解放され、食事制限もほとんどなくなり、生活の質は大きく改善し、また生命予後の改善もみられます。女性では、妊娠、出産が可能になりますし、お子さんでは、ほぼ正常に近い発育も期待できます。現在、腎移植を受けた方のほとんどが、社会復帰を果たしております。血液型は同じ血液型のくみあわせが望ましいのですが(一致)、現在は血液型が同じでなくても、血漿交換等により拒絶反応のリスクを低くして腎移植は可能となっております。腎移植は全身麻酔下での比較的大きな手術が必要となります。また、拒絶反応が起こらないように免疫を抑える薬を一生飲み続けなければなりません。拒絶反応、感染症、免疫抑制剤の副作用などの合併症が起こる場合があります。
<生活上の注意>
 拒絶反応を予防するために、決められた量の薬をきちんと飲みましょう。尿量や体温、血圧、体重などをチェックしましょう。
免疫抑制剤によって免疫力が落ちておりますので、風邪をひかないように注意しましょう。他の薬を飲みたいときは、必ず主治医に相談してください。定期的な受診を必ず行いましょう。

17/10/2025

油について
「油は太る」とイメージだけを持っていませんか?実は油は、エネルギーになるのは当然ながら、細胞膜の原料になる、アレルギーの抑制、脳の発達…などの大きな役割があります。
でも、全ての油がそうではありません。
なので、油の質と摂り方がとっても重要です。
まず油には「見える油」と「見えない油」の2種類あることをご存知ですか?
・「見える油」というのは、
植物油やバターなど、普段、ご自身で調理で使う油のこと。
・「見えない油」というのは、
食品に含まれている油で食べる時は意識しづらい油のことです。
日本人の脂質摂取量を見ると、全体のおよそ8割を「見えない油」、残りの2割を「見える油」から摂取しています。
インスタント食品、冷凍食品、惣菜、加工食品…は全て「見えない油」として摂取しているのです。

同じ植物油でも、サラダ油、紅花油、ひまわり油、外食の油などのオメガ6(リノール酸)は、血中の総コレステロールを低下させるが、摂り過ぎるとアレルギーの炎症を引き起こす原因になります。
魚の油(DHA EPA)、アマニ油、エゴマ油などのオメガ3(リノレン酸)は、アレルギーの予防、血栓予防、血圧を下げるなどの効果があります。ただし、生で使用する事がポイントです。
オリーブ油、菜種油などのオメガ9(オレイン酸)は、血液中のLDLコレステロールを減らす効果があります。

野菜の栄養素には「脂溶性」のものが多くあります。たとえば、ビタミンA,E,D,Kやβ-カロテンなどです。脂溶性栄養素はそのまま食べても、あまり吸収されません。しかし栄養素が油に溶け出すことで、体に吸収されやすくなります。
なので、上手に油を使い分ける事がポイントになりますね!
・揚げる、炒める…など火を通す時は、オメガ9のオリーブ油や菜種油などに。
・ドレッシング、和える…など生で頂く時は、オメガ3のアマニ油やエゴマ油などに。

アレルギーや花粉症の方は、油の質を見直してみるといいですね!

☘️年齢別アドバイス☘️
・子どもの場合
育ち盛りの子どもにとって、
油は良質なエネルギー源です。
青魚に多く含まれているDHA(n-3系脂肪酸)が脳の発達にとても重要です。

・大人の場合
外食やお付き合いの機会が多くなる大人世代ですね。知らず知らず、偏った食事に
なることで「見えない油」の摂取が増える傾向にあります。「見えない油」のとりすぎに注意するとともに、油の質にも気をつけてとりましょう。

・シニアの場合
咀嚼(そしゃく)や飲みくだしなどの
食べる機能が低下しはじめる、シニア世代。
そのため、食べる量が減り、低栄養状態となることがあります。
例えば、65歳以上では約6人に1人、
85歳以上では約4人に1人が、
低栄養傾向にあると言われています。
食べる量を増やすことも大切ですが、
食べ方を工夫して効率よく栄養素を
補給することもお勧めです。
例えば、カルシウムの吸収を高め骨を強くするビタミンDやビタミンKは、油と一緒に摂取すると吸収が上がります。
サラダや炒めものなどで、植物油と一緒に野菜を食べましょう。

日本では血液透析に比較すると導入数は少ないですが、腎不全の治療としての腹膜透析について説明します。<腎代替療法について> 腎臓は、老廃物の排泄や水・電解質バランスの維持、そして様々な内分泌機能を担い、生きていくうえで必要不可欠な臓器です。腎...
01/10/2025

日本では血液透析に比較すると導入数は少ないですが、腎不全の治療としての腹膜透析について説明します。
<腎代替療法について>
 腎臓は、老廃物の排泄や水・電解質バランスの維持、そして様々な内分泌機能を担い、生きていくうえで必要不可欠な臓器です。腎臓病や様々な全身性疾患の影響により腎臓の機能が著しく低下すると、腎代替療法(腎臓の機能を代替する治療法)が必要となります。腎代替療法として腎移植と透析療法が確立されており、透析療法の選択肢として血液透析と腹膜透析があります。我が国では、海外と比較して様々な理由で腎移植が少なく(年間約1,800例)、腎臓の機能が著しく低下し末期腎不全の状態となった症例の大半が透析療法を選択します(年間約34,000例)。我が国の維持透析患者数は約34万人で、その約97%は血液透析を、約3%は腹膜透析を受けています。ここでは、腎代替療法のひとつである腹膜透析という治療法について、その仕組みや実際の導入や治療の流れ、そして長所や気を付けなければならないことについて説明します。
<腹膜透析の仕組み>
 透析療法の目的は、腎不全のため体内に蓄積した老廃物や余剰の水・電解質を体外へと排泄することです。腹膜透析では、腹膜腔内に専用の腹膜透析液を一定時間貯めておくと、腹膜腔をとりかこむ毛細血管を流れる血液に含まれる老廃物や余剰の水・電解質が透析液へと移動することから、この透析液を何回も交換することにより体内に蓄積した老廃物や余剰の水・電解質を本来の腎臓の機能を代替するかたちで体外へと排泄できる、という現象を利用します。腹膜透析を受けるためには、腹膜腔(腹部の肝臓や消化管などが存在し腹膜によって内張りされた空間)に透析液を注排液するためのアクセス、すなわち腹膜アクセスが必要となります。これは、血液透析を受けるために、血液を血液浄化装置の回路に流すためのアクセス、すなわち血液アクセスが必要であることと同じです。腹膜アクセスとして腹膜透析カテーテル(太さ数mmのシリコン製チューブ)を使用します。腹膜透析を選択した方は、腹膜透析カテーテルの一方の端が腹腔内の一番低い部分(骨盤底)に納まるように留置して腹壁で固定し、もう一方の端を腹壁経由で体外へと引き出す手術(腹膜透析カテーテル留置術)を受けて、腹膜アクセスを準備したうえで腹膜透析を始めます。
<腎代替療法選択と腹膜透析導入の流れ>
 腎臓の機能が悪化し、将来的に腎代替療法が必要になると判断された方には、腎代替療法の選択肢(腎移植・血液透析・腹膜透析)について十分な説明を受けていただきます。どの治療法にも特徴や長所・短所があり、何に重きをおいてどの治療法を選択するかは症例ごとに大きく異なり、また同じ症例でもライフステージによって大きく異なります。腎代替療法の選択にあたっては、できるだけ早い段階から腎代替療法と向き合い、ご自身やご家族ならびに担当の医療従事者の間で十分に相談を重ねて意思決定を共有することが、「腎代替療法のある人生」へと円滑に進むうえで非常に大切です。腹膜透析を選択した場合、外来で腹膜透析の手順をトレーニングし習得したうえで、適切な時期に腹膜透析導入のため入院することとなります。この入院の一般的な経過として、腹膜透析カテーテル留置術の2日前に入院し、手術の5日後から腹膜透析を開始し、その後約10日間の入院での腹膜透析で特に問題がなければ、手術創(手術のきず)の状態を確認し退院となります。退院約2週間後に外来で腹膜透析の実施状況や手術創の状態を確認し、特に問題ないようであれば、その後は基本的に自宅で治療を続けながら月1回通院します。
<腹膜透析治療の流れ>
 腹膜透析の基本的な治療パターンは、腹膜透析液を1回2~4時間貯留して、1日に2~3回交換し、これを毎日続けます。注液と排液は、専用の器材を使用して決められた手順で行い、その所要時間は多くの場合それぞれ10分程度です。操作が必要なのは、この注液と排液の時だけで、それ以外の貯留中や排液後の時間は一般的な日常生活(仕事・学業・家事・外出など)に充てることができます。また、注液と排液の時間は問いません。貯留時間と交換回数を守って、生活上最も都合の良い時間に治療を行うことができます。また、自動腹膜透析(APD)は、予め設定した量と回数の注排液を、予め設定した時間配分で、自動で行う装置を使用する腹膜透析です。APDの治療中は腹膜透析カテーテルが装置と接続されたままになりますが、室内の移動や短時間の中断(トイレなど)は問題なく可能であることから、就寝中や在宅勤務中などに追加操作なく治療を完了できます。腹膜透析では、このような治療を続けながら、月1回程度の頻度で外来を受診し、血液検査や胸部レントゲン画像検査で老廃物や水・電解質の蓄積状況やその他の腎不全に関連する合併症や併存疾患の状況を調べ、必要に応じて注射薬や内服薬も投与します。腹膜透析を続けていくなかで、透析が不足し老廃物や水・電解質が体内に蓄積した場合、まずは透析液の種類を変更したり、1回の注液量や交換回数を増やしたりして対応します。APDを上手に活用することで、無理なく交換回数を増やすことができます。腹膜透析の処方を十分に工夫しても透析が不足してしまう場合には、血液透析を併用します(ハイブリッド透析)。血液透析は、血液浄化装置を使用して血液から老廃物や余剰の水・電解質を直接除去する強力な治療法なので、ほとんどの症例では、週1回の併用で透析の不足を補うことができます。それでも透析が不足する場合は、血液透析の併用回数を増やし、やがて腹膜透析を離脱し週3回の血液透析へと完全に移行することになります。このように、腹膜透析と血液透析は完全に独立した治療法ではなく、お互いに補い合いながら段階的に移行するものであり、ハイブリッド透析のように両者の「良いとこ取り」もできるのです。

<腹膜透析の長所>
 腹膜透析の特徴として、(1)人体にもともと備わっている腹膜腔を活用した治療法であり、血液を体外で循環させ血液浄化装置を使用する血液透析と比較して、非常に穏やかであること、(2)大がかりな設備が不要であるため自宅などで治療を行うことができ、通院回数が血液透析と比較して非常に少ないこと、が挙げられます。多くの症例では、透析導入時点では本来の腎臓の機能(残存腎機能)がわずかながら残されています。残存腎機能をできるだけ保つことに、医学的に大きなメリットがあるとされていますが、腹膜透析は非常に穏やかな治療であるため、治療による全身への負担が血液透析と比較して小さく、残存腎機能の保護という点で優れています。また、穏やかな治療であるという腹膜透析の特徴は、心臓や血管の機能が低下した症例や、様々な疾病で全身状態が優れない症例で特に役立ちます。自宅などで治療を行うことができる、という腹膜透析のもうひとつの特徴は、透析導入後もそれ以前とできるだけ変わらない生活を続けるうえで重要となります。また、大がかりな設備が不要でライフラインへの依存度も極めて小さいため、血液透析と比較して災害の影響を非常に受けにくいといえます。最近では、新型コロナウイルス流行下で外出し病院を受診することなく治療を続けられるという点でも、腹膜透析は改めて注目されています。腹膜透析と血液透析はお互いに補い合う治療法であることを説明しましたが、腹膜透析のこのような特徴は、血液透析の症例でも上手に活用することができます。例えば、心臓や血管の機能が低下した血液透析症例で、治療による身体的な負担を軽くするためにハイブリッド透析や腹膜透析へと移行することができます。また、高齢化や脳血管障害の後遺症などで身体機能が低下し週3回の通院が困難となった血液透析症例で、通院回数を減らすためにハイブリッド透析や腹膜透析へと移行することができます。

<腹膜透析で注意すべきこと>
 このような腹膜透析の特徴をきちんと理解することで、腹膜透析で注意すべきことも正しく認識できます。非常に穏やかな治療であるということは、すなわち老廃物や過剰な水・電解質が体内にいったん蓄積してしまうと、それらを効率よく除去することが難しくなる、ということを意味します。残存腎機能の低下による透析不足は不可避といえますが、飲食の制限はしっかりと守る必要があります。腹膜透析で最も注意すべきことは、腹膜炎(腹膜透析腹膜炎)です。腹膜炎をはじめとする腹膜透析関連感染症の発症については、治療が医療機関外で行われるため医療従事者のチェックが行き届きにくいことも一因と考えられます。実際に、腹膜透析腹膜炎をはじめとする腹膜透析関連感染症の少なくない症例で、指導された治療手順を守らなかったり独自に改変したりしたことによる細菌の混入が直接の原因となっています。このことは、決して難しくない治療手順さえしっかりと守れば、腹膜炎のリスクを大幅に減らすことができる、ということでもあります。自分の健康は自分で守るという考え方は、安全で快適な腹膜透析を続けるうえでも非常に大切です。腹膜透析の合併症として、被嚢性腹膜硬化症(EPS)もしばしば挙げられます。EPSは、腹膜が変性して癒着・線維化・硬化し、腸閉塞を来してしばしば死に至る、予後不良な疾患です。腹膜透析症例におけるEPSの発症には、旧型の酸性透析液の関与が知られており、酸性透析液を用いた腹膜透析の継続年数が長くなるとEPSの発症頻度も高くなるため、5~8年で腹膜透析の中止を余儀なくされる場合が多々ありました。我が国では約20年前に酸性透析液から中性透析液への切り替えが進み、現在は当院をはじめとするほとんどの医療機関で生体親和性に優れた最新世代の中性透析液が使用されています。中性透析液を用いた腹膜透析では、継続年数が長くなってもEPSの発症頻度が極めて低い水準のまま変わらないことが示されており、現在の我が国では、EPSを理由に腹膜透析を避けることや順調に続けられている腹膜透析を中止することは適切ではありません。なお、EPSは、腹膜透析に特有の合併症ではありませんが(酸性透析液の時代であっても腹膜透析はEPSの原因の1割程度を占めるに過ぎなかったと報告されています)、腹膜に強い炎症や刺激が加わることで発症のリスクが高まります。つまり、腹膜透析腹膜炎を何度も繰り返す場合には、EPS発症のリスクが高くなるため、腹膜透析を中止することがあります。

15/09/2025

腸内環境を意識した事はありますか?
腸内環境を整えることは、単なる便通改善に留まらず、免疫力向上、肌の健康改善、メンタル、そして生活習慣病予防など、全身の健康に深く関わるとても重要な事なのです。
また、腸は「第二の脳」と呼ばれるほど脳との密接な関係があり、腸内細菌のバランスが全身の様々な機能に影響を与えています。

腸の役割でよく知られているのが、細菌やウイルスから体を守る免疫の働きです。腸は「最大の免疫器官」といわれ、免疫細胞の6割以上が集中しています。腸内環境がよければ免疫細胞が活性化し、正常に働きますが、腸内環境が悪化すると免疫細胞の働きが低下し、感染症にかかりやすくなってしまいます。�また、腸内環境の悪化は下痢や便秘、過敏性腸症候群といった腸の病気をはじめ、花粉症をはじめとしたアレルギー性疾患など様々な病気の引き金にもなります。�腸は私たちの健康を根底で支える要ともいえる臓器なのです。
だからこそ腸内環境を整える腸活が大切なのです。さらに、腸内環境のよしあしは肌の調子や見た目の若さにも関係することが解明され、美容やアンチエイジングのためにも腸活に注目する人が増えています。

*腸内環境の良い状態とは?
お腹の中には、腸内環境を大きく左右するたくさんの腸内細菌がすみついています。
小腸から大腸にかけて生息する腸内細菌は、約1000種類、100兆個にも及ぶといわれ、これらの細菌がグループごとに密集している様子はまるでお花畑のように見えることから、「腸内フローラ」(floraは英語で“植物群”の意味)と呼ばれています。

腸内細菌は大きく「善玉菌」、「悪玉菌」、「日和見菌(ひよりみきん)」の3種類に分けられます。善玉菌は体に有用な働きをする菌で、ビフィズス菌や乳酸菌などがその代表です。
一方、悪玉菌は増え過ぎると体に悪影響を与える菌で、主なものにウェルシュ菌やディフィシル菌などがあります。日和見菌はこのどちらにも属さない中間的な菌です。�ただし、悪玉菌健康維持のために一定の役割を果たしているので、全部が善玉菌であればよいという単純な話ではありません。あくまでもバランスが大事で、腸内フローラの状態が最もよいのは、「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」の割合の時とされます。
また、最近では腸内細菌の「多様性」も重視されるようになっています。
多種多様な菌が共生することで、一部の菌がダメージを受けても他の菌がそれを補い、腸内環境を良好な状態に保つことができるためです。�つまり“腸内環境がよい”とは、「多様性に富んだ腸内細菌が、バランスよく存在している」こと。
逆に腸内環境の悪い状態とは、この多様性が失われてしまうことです。腸内フローラの多様性を育てることが、まさに腸活の本質といってよいでしょう。

*腸内環境が悪化する原因とは?
腸内フローラは指紋のように一人ひとり異なり、善玉菌や悪玉菌のバランスは年齢や体調、生活習慣などによって刻々と変化します。
・加齢
一般に60歳くらいになるとビフィズス菌などの善玉菌が減り始め、代わってウェルシュ菌などの悪玉菌が増えてくる傾向にあります。また、年齢と共に腸内細菌の多様性も失われやすくなるために、高齢期に便秘になる人が増えたり下痢を起こしやすくなったりするのも、こうした腸内環境の悪化が影響しています。
・食生活
腸内細菌は食事で摂った食べ物をエサにしているため、食生活は腸内環境にダイレクトに影響します。肉類や加工食品に偏った食生活では脂質や動物性タンパク質を好む悪玉菌が増え、相対的に善玉菌が減って健康な腸内フローラを保ちにくくなります。また、暴飲暴食や過度なダイエットなども腸内環境を悪化させます。
・ストレスなどが挙げられます
腸の働きは自律神経によって支配されているため、過剰なストレスで自律神経が乱れると腸の働きが低下し、悪玉菌が増えやすくなります。腸内環境が悪い人はストレスに弱く、うつなど心の病気を発症しやすいことが分かっています。

*「便」は腸内環境を知るバロメーター�便の約80%は水分で、残りの20%が食べかすや腸内細菌、はがれ落ちた腸粘膜からできています。腸内環境のよしあしは、便を見るとだいたい分かります。
便秘の診断などに用いられる国際基準「ブリストルスケール(BSS)」では、便をその形状により7つのタイプに分類しています。
1.コロコロ便
2.かたい便
3.ややかたい便
4.普通便
5.やや柔らかい便
6.泥状便
7.水様便
便秘の診断などに用いられる国際基準「ブリストルスケール(BSS)」では、便をその形状により7つのタイプに分類しています。タイプ3~5が正常範囲で、理想的な便とされているのはタイプ4。腸の働きをよくする善玉菌が優勢になっている状態です。
一方、硬い便や柔らか過ぎる便、においのきつい便の場合は、腸内環境が悪くなっている可能性があります。�腸活をして腸内環境がよくなると、タイプ4に近づきます。便の状態を確認しながら、自分の腸に合わせた腸活を行っていきましょう。

今回、聞かれたことがあると思いますが、代表的な腎臓病の治療である血液透析についてご紹介します。<概要> 腎不全が進行し、腎臓の機能が一定レベル以下に低下する(健常者の10%以下)と、尿毒症を発症し、腎臓の機能を代行するための治療法である腎代...
26/08/2025

今回、聞かれたことがあると思いますが、代表的な腎臓病の治療である血液透析についてご紹介します。
<概要>
 腎不全が進行し、腎臓の機能が一定レベル以下に低下する(健常者の10%以下)と、尿毒症を発症し、腎臓の機能を代行するための治療法である腎代替療法(じんだいたいりょうほう)が必要となります。腎代替療法には、血液透析、腹膜透析、腎移植という3つの治療法があります。日本では、324,986人の方が透析治療を受けていますが、そのうち、96.5%の方が血液透析を受けており、血液透析は腎代替療法として最も普及した治療法です(2015年末時点、日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」による)。血液透析は、バスキュラーアクセスから血液を取り出し、透析液を環流させたダイアライザ(人工腎臓)で浄化し、体内に戻す治療です(図1)。通常、この治療を週に3回、4時間程度行います。わが国の血液透析の成績は世界でも群を抜いて良く、透析後の寿命も伸びています。血液透析を30年以上続けている方が3万人以上いらっしゃいます。仕事を続けながら血液透析を受けている方もたくさんいます。ただし、血液透析は腎臓を治療する方法ではなく、腎臓の機能を代行する治療法ですので、原則的に、一生涯続けることになります。
<いつ血液透析を始めるのか>
 いつ血液透析を開始するかは、臨床症状、腎機能検査、日常生活の障害度、年齢、原因疾患などから総合的に判断されます。血清クレアチニン8mg/dL(健常者の腎機能の10%に相当する)が透析導入の目安と考えられています。血清クレアチニン8mg/dLを超えた状態は、腎臓の予備能はほとんどない状態ですから、風邪などのちょっとした体調の変化をきっかけに、いつ重篤な尿毒症が出現してもおかしくありません。したがって、尿毒症が出現しないうちに、血液透析を開始し、入院期間を短くして、早く社会復帰する方法が推奨されています。しかしながら近年の研究では早期の導入が必ずしもその後の患者さんの予後を良くするわけでもないという報告もあり、導入の基準に一定のものもありません。透析前の腎不全の状態(保存期といいます)から慢性腎臓病をしっかり治療し、主治医の先生とよく相談して透析導入を検討すべきと考えます。
なお、末期腎不全に伴う尿毒症症状とは、
• 全身のむくみ(特に、肺に水のたまる肺水腫)
• 薬などで治療できない電解質や血液のpH(酸塩基)の異常
• 吐き気、食欲不振などの消化器症状
• 重度の高血圧、心不全などの循環器症状
• 中枢・末梢神経障害、精神障害などの神経症状
• 高度の貧血、出血が止まりにくくなるなどの血液異常
などです。これらの症状は血液透析によって改善できますが、保存期の治療によっても改善できます。ただし、肺水腫、心不全などの命に関わる尿毒症が出た場合には、速やかに透析を開始することが必要です。血液透析を開始するにあたってひとつ準備をしなければいけないことがあります。それが、バスキュラーアクセスです。血液透析を行うためには大量の血液を体外に導き出す必要があります。このように血液透析のために血液が取り出せる出入り口をバスキュラーアクセスと呼び、代表的なものがシャントと呼ばれるものです。シャントは、通常利き腕と反対の腕の手首付近で、動脈と静脈をつなぐことで作ります。シャントによって、表面の静脈に大量の血液が流れるようになります。血液透析療法を行う際には、この大量の血液が流れている静脈に針を刺して、血液をダイアライザで浄化し、浄化した血液をもう1本の針から体内に戻します。シャントが使えるようになるまでには2週間程度の時間がかかりますので、血液透析をそろそろ始めないといけないという段階になったら、事前に、短期間入院し、手術を受け、シャントを用意しておきます。バスキュラーアクセスは、透析患者さんにとっては命綱のようなものであり、日常生活でもバスキュラーアクセスが閉塞しないような注意が必要です。
 <血液透析の実際>
血液透析の役割は大きく2つに分けて考えることができます。一つは、血液の浄化であり、本来なら腎臓から体外に排泄される老廃物(尿毒素)やカリウムやリンなどを取り除き、カルシウムやアルカリなどを透析液から補います。もう一つの役割は、本来、尿として排泄されるべき水分を除去することです。これらにより、本来の腎臓の機能のかなりの部分を代行することができます。しかし、本来の腎臓のもつ内分泌機能(造血ホルモンであるエリスロポエチンの産生、カルシウム・リンのバランス保持に重要なビタミンDの活性化)は代行できません。また、血液透析では、体に必要なビタミンやアミノ酸などを失ってしまう一方、本来は除去しなければいけないアミロイドーシスの原因物質であるβミクログロブリンなどを完全には除去できません。これらが、長期の血液透析患者さんの合併症につながります。実際に、血液透析を始める際には、事前にバスキュラーアクセスを作っておいて、外来通院を続けながら、血液透析が必要と判断したら、入院をしていただいて血液透析を開始します。血液透析を始める際には、通常10日間程度入院します。これは、血液透析開始時には、血液透析の条件を設定したり、適切な体液量を決定することに時間がかかるためです。そして血液透析の合併症などがなければ、退院していただいて、居住地または勤務先近くの通院しやすい外来透析施設に通いながら、通常週3回、3~4時間の透析を続けます。この退院してからの外来透析施設の選択は、学会が発行する施設のリストがありますのでそれをもとに選んでいただきます。
<血液透析患者さんに起こりやすい合併症>
1. 貧血
エリスロポエチンは腎臓から分泌されており、慢性腎不全患者さんにおいてはエリスロポエチン不足による腎性貧血がほぼ必発です。腎性貧血の治療の基本はエリスロポエチン製剤の投与です。透析を受けている場合は、血液透析の際に、エリスロポエチン製剤の投与を受けます。ヘモグロビン(Hb):10g/dL以上を目標として投与量を調整します。ただし、活動性の高い若い方の場合、Hb:11-12g/dLとやや高めの値を目標とします。エリスロポエチンを投与しているにもかかわらず、貧血が続く場合には、鉄不足や消化管出血などを考えます。
2. カルシウム・リン代謝異常
長期の透析患者さんは、透析骨症または腎性骨症と呼ばれる多様な骨の障害を起こすことがあります。このような骨の障害は、生活の質を落とすことになるので、重要な合併症と考えられています。このような骨障害を防ぐためには適正なカルシウム・リンバランスを保つことが重要です。透析患者さんにおける適正値は血清リン3.5-6.0mg/dl、血清カルシウム 8.4-10.0mg/dl、PTH intact(副甲状腺ホルモン)60pg/mL-240pg/mLです。
血液透析患者さんでは、血中のリンが高くなりやすく、食事でのリンの制限が必要です。ただし、多くの場合、食事制限だけでは高リン血症を防げないので、様々な食事のリン吸着薬を服用します。
腎機能が低下すると、腎臓におけるビタミンDの活性化が行われないため、ビタミンD不足になります。ビタミンD製剤はリンを上げ、カルシウムを上げ、PTHを抑えます。ビタミンD製剤は通常、内服しますが、重度の二次性副甲状腺機能亢進症患者さんでは、透析後にビタミンD製剤を静脈投与するという方法もあります。また、Ca受容体作動薬(シナカルセット)という薬剤も近年使われています。しかしながら、このような薬による治療でも、副甲状腺機能亢進症が続く場合には、副甲状腺摘出術やエタノール注入療法(PEIT)を行います。
3. 高カリウム血症
透析患者さんの場合、高カリウム血症を来しやすくなります。カリウム含有量の多い食事(生野菜、果物など)を避け、カリウムを減らす調理法(野菜をゆでこぼす)によって、透析前カリウム値:3.5-5.5mEq/lとなるようにします。食事で十分にカリウムが下がらない場合には、カリメートなどのイオン交換樹脂製剤を服用します。
4. 心不全と感染症
血液透析、腹膜透析患者さんにおいて死因の第一位は心不全、第二位は感染症です。血液透析患者さんは心臓、血管の合併症が多く、定期的な心機能、動脈硬化の検査が推奨されます。また透析患者さんは免疫能の低下やシャントからの感染などで感染症のリスクが高いことが知られています。定期的な感染予防、予防接種が奨励されています。
<透析患者さんの食事>
透析患者さんの食事で最も重要なのは、飲水の制限です。1日の食事外水分は体重1kgあたり15mlに尿量を加えたものとします。透析間の体重増加を、中1日で体重の3%以内、中2日で体重の5%以内を目標とします。血液透析開始前に比べればタンパク制限は緩くなりますが、リンとカリウムの制限がうまくできないことが多いようです。
維持透析期の食事療法について、2014年の日本透析医学会の指針を示します。
総エネルギー:30-35kcal/kg標準体重/日
蛋白:0.9-1.2g/kg標準体重/日
食塩:6g/日未満
カリウム制限:2.0g/日以下
食事外水分:できるだけ少なく
リン:たんぱく(g)X15mg/日以下
標準体重は次の式で計算します。標準体重=22x(身長(m))2

14/08/2025

「ストレッチをしましょう」と良く言われますよね。
では「ストレッチ」にはどのような効果があるのでしょうか。ストレッチは、自宅でも簡単に行える身近な運動です。実は、ストレッチには「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」の2種類があり、それぞれ得られる効果が異なります。
特に静的ストレッチは、疲労回復やリラックス、肩こり軽減などの効果が期待できるため、体の不調を感じている人におすすめです。
「ストレッチ(stretch)」という言葉には「伸ばす」という意味があり、そこから派生して、体の筋肉を伸ばす柔軟体操のことを指します。正式には「ストレッチング(stretching)」や「ストレッチ体操」といいますが、略して「ストレッチ」と呼ばれることが一般的です。

★ストレッチの効果★
①柔軟性の向上
ストレッチをすると、筋肉や靱帯(じんたい)の柔軟性が高まり、体の動きがよりスムーズになります。また、筋肉をゆっくりと伸ばすように意識すると、筋肉を縮めようとする反射(ストレッチ反射)が和らぎ、筋肉がリラックスした状態を保ちやすいといわれています。
②血行促進
ストレッチをすると、硬くなっていた筋肉や血管が刺激され、ストレッチ後の血流が増加します。血行がよくなると、体中に酸素や栄養が行き渡りやすくなるというメリットも。最近では、ストレッチをすることで血管の柔軟性が高まり、動脈硬化の予防につながる可能性があることもわかってきています。
③疲労回復
ストレッチをすると血行がよくなり、筋肉に酸素や栄養が行き渡りやすくなるだけでなく、筋肉に溜まった老廃物を効率よく排出できるというメリットも。結果として筋肉の疲労回復が早まり、疲労感の軽減が期待できます。
④ 肩こりや腰痛、関節痛の軽減
長時間同じ姿勢を続けたり、繰り返し同じ動作をしたりすると、筋肉の柔軟性に偏りが生じ、肩こりや腰痛、関節痛などの不調を引き起こすことも。ストレッチをすると、柔軟性の偏りや筋肉のこわばりが解消されるため、それらの不調の軽減につながります。
⑤姿勢改善
長時間の猫背や前かがみなどの姿勢は、特定の筋肉に負担がかかるため、肩こりや腰痛の原因に。肩甲骨や首のストレッチを継続的に行うと、関節の可動域が広がるため、姿勢の改善が期待できます。
⑥リラックス効果
最近の研究から、ストレッチにはリラックス効果もあるということが明らかになってきています。余裕があるときは、30分ほどかけて全身の筋肉を順番に伸ばすストレッチをするのもよいでしょう。ストレッチをすると、体を休めるときに働く「副交感神経」の活動が活性化するため、深いリラックス効果を得られるといわれています。

ストレッチの種類
ストレッチには、大きく分けて「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」の2種類があります。ここでは、それぞれの特徴とおすすめのストレッチを紹介します。

☆ 静的ストレッチ
静的ストレッチは「スタティックストレッチ」とも呼ばれ、筋肉をゆっくりと伸ばしたまま、反動や動きはつけずに、その状態を一定時間保つストレッチ方法です。静的ストレッチには、筋肉をリラックスさせることで柔軟性を高める効果があるといわれています。さらに、副交感神経が活性化されるので、心身が落ち着くというメリットも。特に、運動後や就寝前に行うと、リラックスしやすくなるといわれています。

[首のストレッチ】
①リラックスしてイスに座り、左手で座面のへりを持つ
②首を前に倒し、右に向ける
③右手を頭の左側にあて、ゆっくり首を右斜め前に押し10秒キープ
④反対側も同様に行う
【背中・肩甲骨のストレッチ】
①足を開いて立ち、左腕をまっすぐ前に出す
②右手で左の前腕をつかむ
③左腕を右手で右側に引くようにし、上体を右側に向け10秒キープ
【腰のストレッチ】
①仰向けになり、膝を両手で抱えて胸に近づける
②腰が丸まるように両膝をしっかり引き寄せて30秒キープ
③この動きを3回繰り返すのを1セットとして、1日3セット行う
※辛い場合は、お尻の下に座布団や枕などを敷くと楽にできますよ!

☆動的ストレッチ
関節や筋肉を動かしながら柔軟性を高めるストレッチ方法です。代表例としては、ラジオ体操が挙げられるでしょう。
動的ストレッチは、筋肉を動かしながら徐々に伸ばしていく「ダイナミックストレッチ」と、反動の力で筋肉を大きく引き伸ばす「バリスティックストレッチ」に分けられます。動的ストレッチには、運動のパフォーマンスを向上させるだけでなく、怪我を防止する効果もあるため、起床後や運動前の準備運動として行うといいですよ


【肩甲骨のストレッチ】
①足を開いて立ち、できるだけ高く腕を頭上に上げ、肘を伸ばして手の甲を合わせるようにする
②肩甲骨を寄せながら、半円を描くように腕を下ろす。このとき、手のひらの向きが合うように手首を内側に返す

【体幹部の動きを高めるストレッチ】
①四つんばいの姿勢になり、手は肩の下、膝は股関節の下を意識する。このとき、目線は下を向いた状態でセットする
②ゆっくり息を吸いながら、へそを床に近づけるように背中をそらし、同時に肩甲骨を寄せる
③ゆっくり息を吐きながら、肩甲骨をできるだけ引き離すように、背中を丸める

★ストレッチの効果を高めるポイント
①無理をしない
柔軟性が低い筋肉を無理に伸ばすと、痛みをともなう「オーバーストレッチ」になり、筋肉を痛める原因となることも。そのため、ストレッチをする際は、無理せず、気持ちいいと感じる範囲内で行うことが大切です。「痛気持ちいい」と感じるくらいが、最も効果を得ることができるといわれています。

②ストレッチしている筋肉を意識する
ストレッチをしている間は、どこの筋肉が伸びているか、意識するようにしましょう。「今は〇〇の筋肉が伸びている」と自分の体に意識を向けながら行うと、筋肉の状態を感じ取りやすくなります。
このように神経と筋肉の連携が高まると、ストレッチの効果がさらに向上します。また、筋肉を伸ばす際の力加減を調整しやすくなるため、ストレッチを安全に行えるようになるでしょう。

③呼吸を止めない
ストレッチをしている間は、呼吸を止めないようにすることも大切。息を止めると体が緊張し、筋肉が十分に緩まらないだけでなく、血圧が上昇し、体に余計な負担がかかってしまう場合もあります。
鼻と口を使い、細く長くゆったりとした呼吸をしながらストレッチをすることで、リラックスした状態を保ちやすくなります。

④ 最低でも20秒は伸ばすように心がける
ストレッチを行う際は、時間をかけてゆっくり伸ばすことが大切です。ストレッチを始めてから最初の5~10秒は、筋肉の伸ばし具合を調節するのに使われるため、すぐにストレッチをやめてしまうと十分な効果を得られません。
最低でも20秒以上は筋肉を伸ばすよう意識しましょう。呼吸が止まらないように、声に出しながらゆっくり20秒カウントするのもおすすめです。

ストレッチを継続して行うと、筋肉の柔軟性が高まるだけではなく、疲労回復や肩こりの軽減、血行促進などさまざまな効果が期待できます。さらに、ストレッチにはリラックス効果もあるため、仕事の休憩時間や就寝前などに行い、習慣化するといいですよ。
よろしくお願いします

今回は、主たる腎疾患の糸球体腎炎をご紹介します。<概要> 腎臓は、血液の中の老廃物を除去し、尿を生成する臓器です。尿を生成する最初のステップは、血液を濾過(ろか)することですが、その濾過装置の1個1個を「糸球体(しきゅうたい)」と呼びます。...
29/07/2025

今回は、主たる腎疾患の糸球体腎炎をご紹介します。
<概要>
 腎臓は、血液の中の老廃物を除去し、尿を生成する臓器です。尿を生成する最初のステップは、血液を濾過(ろか)することですが、その濾過装置の1個1個を「糸球体(しきゅうたい)」と呼びます。人体には腎臓が2つあり、1つの腎臓にこの糸球体が約100万個、2つの腎臓で計200万個の糸球体があるといわれています。この糸球体に炎症が起こるのが糸球体腎炎です。どうして糸球体に炎症が起こるのでしょうか?病気の主体が腎臓にあると考えられる場合は「原発性」の糸球体腎炎といいます。「原発性」の糸球体腎炎は、病因が特定できない場合が少なくありませんが、何らかの免疫異常が原因の場合が多いとされています。この免疫反応は、通常は生体を細菌やウイルスから防御するために働くものですが、その免疫反応の異常により糸球体腎炎が生じる可能性が考えられています。一方、「続発性」糸球体腎炎は、膠原病、血管炎、炎症性腸疾患、悪性腫瘍など、元となる全身疾患が存在し、それによって引き起こされる二次性の腎炎です。したがって、「続発性」糸球体腎炎の場合は、まずは元の全身性の疾患の診断と治療を行うのが基本です。
<症状> 
 「糸球体腎炎」には様々なタイプがあり、それぞれの症状には大きな違いがあります。ここではWHO(世界保健機関)の分類に基づいて、代表的な4つのパターンを説明します。
1. 急性糸球体腎炎
「急性糸球体腎炎」は、何らかの他の感染症状が出現した後に、腎臓の症状が現れます。急性糸球体腎炎を起こす感染で一番多いのは咽頭炎(いんとうえん)、すなわち、のどの痛みを伴う風邪です。皮膚の感染の後に症状が出現することもあります。これらの感染の1~2週間後にむくみや血尿(けつにょう、尿に血が混じり、時には色が赤くなること)に気付くことがあります。血圧が高い、だるい、息苦しいなどの症状がみられることもあります。急性糸球体腎炎の場合は、これらの症状が自然に軽快することが多いことが知られています。
2. 慢性糸球体腎炎
慢性糸球体腎炎の場合は、特に症状がないことが多いのが特徴です。健康診断で尿の異常(尿に蛋白・血液が検出される蛋白尿・血尿)を指摘されて初めて気付く人もいます。生理中の時、激しい運動の後などに一時的に尿異常がみられる場合と異なり、異常が慢性的に持続する場合は「慢性糸球体腎炎」の可能性が疑われます。
3. ネフローゼ症候群
糸球体腎炎の中で、特に蛋白尿が高度(厳密には、1日に3.5g以上)の場合をネフローゼ症候群といいます。症状は、手足のむくみ、体重増加(むくみは体の中の水分量が増加したために出現し、この増えた水分が体重増加となります)、だるさなどです。
4. 急速進行性糸球体腎炎
糸球体腎炎の中で、最も重篤な経過をたどる急速進行性糸球体腎炎は、腎臓の機能が数週間から数か月間で低下します。症状としては、だるさ、むくみ、微熱、咳や息苦しさなどがみられることもありますが、ほとんど症状がない場合もあります。

<診断>
 尿検査、血液検査、腎臓の画像検査、腎生検の組み合わせにより診断を進めていきます。
1. 尿検査
糸球体腎炎の基本検査です。尿検査で蛋白尿または血尿がみられることが糸球体腎炎の特徴です。蛋白尿を定量化するために、24時間の尿を貯めて、その一部を検査する「24時間蓄尿検査」を行う場合があります。
2. 血液検査
血液検査では、糸球体腎炎の原因となりうる免疫異常の有無、腎臓の機能の指標となる血清クレアチニン値、ネフローゼの有無を知るために必要な血清蛋白やアルブミンの測定などを行います。
3. 画像検査
画像検査で一番多く用いられるのが腹部超音波検査(エコー検査)やCT検査です。糸球体腎炎以外の病気の検索、腎臓の構造に大きな変化がないかを知るために有用です。
4. 腎生検
糸球体腎炎の状態を最も正確に知る方法です。尿・血液検査、画像検査で、糸球体腎炎の診断や進行度を推定しますが、確実な最終診断をするために行うのがこの「腎生検」です。腎臓の組織を針で採取し、糸球体を顕微鏡で観察し、診断します。
以前は手術室で行うような検査でしたが、現在は一般の病室で行えるようになりました。より安全に検査を行うために、5日程度の入院にて行います。
<治療>
 治療法については、糸球体腎炎の種類(組織分類)によって異なります。ここでは、各種の糸球体腎炎に共通した一般的な治療法と、糸球体腎炎の種類によって異なる薬物療法について説明します。
1. 一般的な治療法
糸球体腎炎では、原則として塩分摂取を控える、過労を避ける、などの基本的な治療を行います。軽症の糸球体腎炎が疑われる場合は、特に薬物療法を行わずに、尿検査や血液検査を定期的に行い、その経過を外来で観察します。
2. 薬物療法
i. 血圧の薬
高血圧は腎臓に負担をかける原因となりますので、血圧が高ければそれを下げる降圧薬を使用します。降圧薬の中でもアンジオテンシン変換酵素阻害薬・アンジオテンシン受容体拮抗薬といった種類のものは蛋白尿の改善にも有効であることが示されています。
ii. ステロイド薬
重症の糸球体腎炎、例えばネフローゼ症候群の場合は、糸球体の炎症を緩和するステロイド薬を使用します。ネフローゼ症候群を引き起こす糸球体腎炎の中でも、細かい分類が「微小変化群」の場合はステロイド薬で、少なくとも一時的に治る(寛解する)ことがあります。他の種類のネフローゼ症候群、さらに急速進行性糸球体腎炎でもほとんどの場合はステロイドを使用します。
また、腎生検結果の分類が「IgA腎症」の場合は、ネフローゼ症候群でなくても、腎機能の保持のためにステロイド薬を点滴で投与する「パルス療法」を行う場合があります。
このように、ステロイド薬は特定の糸球体腎炎に対して最も効果がある薬ですが、その反面、様々な副作用があります。(1)炎症を抑えるのと同時に自分自身の免疫力も抑えてしまうため、感染症にかかりやすくなる、(2)胃炎、胃潰瘍、(3)骨がもろくなりやすい、(4)不眠傾向になる、(5)血圧や血糖値が乱れる、(6)顔が丸くなる、(7)白内障や緑内障を起こすことがある、などです。投与前や投与中には副作用をチェックするための検査を行い、副作用の出現を予防する投薬も行います。
iii. 免疫抑制薬
ステロイドの効果が不十分の場合、あるいはその効果を補助するために、免疫機能を抑える薬を使う場合があります。
iv. 血小板凝集抑制薬
蛋白尿を減らす目的で使用する場合があります。
v. その他の治療
重症患者に対する特殊な治療として、血液を直接浄化する血漿交換や血液吸着治療を行う場合もあります。
<生活上の注意>
1. 食事の注意
腎臓の負担となる塩分の摂り過ぎ、それに蛋白質の過度の摂り過ぎには注意します。ネフローゼなどでむくみがある時以外は、脱水にならないよう水分を十分に摂るように心がけます。
2. 生活・仕事・運動の注意
過度のストレス、睡眠不足、マラソンなどの過度の運動、炎天下の作業など、脱水を引き起こす行動は避けることが必要です。風邪をひくと腎臓に負担がかかりますので、うがいや手洗いなどを行い、風邪予防を心がけます。また急速進行性糸球体腎炎やネフローゼ症候群は、病状が安定するまでは入院安静が原則となります。妊娠は腎臓に負担をかけますので、特別な配慮をします。

住所

小松北町1丁目1-27 1F
Nishinomiya-shi, Hyogo
663-8126

営業時間

月曜日 09:00 - 12:00
16:00 - 19:00
火曜日 09:00 - 12:00
水曜日 09:00 - 12:00
14:00 - 19:00
木曜日 09:00 - 12:00
金曜日 09:00 - 12:00
土曜日 09:00 - 12:00
日曜日 09:00 - 17:00

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