分子矯正医学研究所 : Institute of Orthomolecular Medicine

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ウイルスが宿主の体臭を「蚊を引きつける臭い」に変えて蚊に刺されやすくしていることが判明 以上の研究結果は、デングウイルスやジカウイルスが宿主の産生・放出するアセトフェノンの量を増やすことができ、それによってより多くの蚊を引き寄せていることを...
24/05/2024

ウイルスが宿主の体臭を「蚊を引きつける臭い」に変えて蚊に刺されやすくしていることが判明

 以上の研究結果は、デングウイルスやジカウイルスが宿主の産生・放出するアセトフェノンの量を増やすことができ、それによってより多くの蚊を引き寄せていることを示唆しています。
 さらに研究チームは、「一体なぜ、デングウイルスやジカウイルスに感染するとアセトフェノンの放出量が増えるのか?」という疑問についても調査しました。

 アセトフェノンは人間やマウスの皮膚に生息する細菌によって産生される代謝副産物であるため、研究チームは「ウイルスが皮膚に生息する細菌の種類を変化させ、結果としてアセトフェノンの産生量が増加するのではないか」と考えました。
 このアイデアをテストするため、デングウイルスやジカウイルスに感染したマウスからさらに腸内細菌を除去するか、皮膚細菌を除去して蚊にさらす実験を行いました。
 その結果、皮膚細菌が除去されたマウスは有意に蚊の誘引量が少なかったとのことで、皮膚の細菌がアセトフェノンの供給源であることが示唆されたそうです。
 そして、ウイルスに感染したマウスと非感染マウスの皮膚細菌組成を比較したところ、一般的なグラム陽性桿菌であるバシラス属の細菌が、ウイルスに感染したマウスでは有意に増加していることが判明しました。

 最後に研究チームは、ウイルスによるアセトフェノン産生量の増加を抑制し、体臭変化を防ぐ方法について研究しました。
 ウイルスに感染したマウスでは皮膚において微生物と戦うレジスチン様分子α(RELMα)の量が低下していることに着目した研究チームは、RELMαの産生量を増加させるビタミンAの誘導体をウイルスに感染したマウスに投与し、皮膚に存在するRELMαとバシラス属の細菌の量を測定した上で、蚊にさらす実験を行ったとのこと。

 その結果、ビタミンA誘導体で治療した感染マウスはRELMαの量が非感染マウスと同程度になり、皮膚上のバシラス属細菌の量が減ったことが判明。
 また、ビタミンA誘導体で治療したウイルス感染マウスでは、非感染マウスと比較して誘引される蚊の量が変わらなかったこともわかりました。

 研究チームは次のステップとして、これらの結果を人間において再現することを目指しています。
 ビタミンA欠乏症は蚊によるウイルス媒介が深刻な東南アジアやサハラ以南のアフリカなど、多くの発展途上国で一般的な病気です。
 そのため、経口接種するビタミンAあるいはビタミンA誘導体を増やすことで、蚊によるウイルス媒介を軽減し、長期的なデング熱やジカ熱の流行を抑制できる可能性があるとのことです。

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精神医学が、また分子医学的解明によって、精神の物質的基礎を明らかにされた。
 
 関西医科大学・精神神経科学講座・加藤正樹准教授、緒方治彦助教らの研究チームは、世界で初めて網羅的に評価した治療前のうつ病患者の血中の miRNA 発現量と mtDNA コピー数の関連を厳格な統計手段で解析した。
 その結果、うつ病患者の5 種類の miRNA と mtDNA に関連があることを示した。
 今回の研究では、mtDNA と関連する miRNA の一群を見出したことで、それらを用いた治療反応予測の可能性を提示した。
 さらに、それら miRNA が制御する遺伝子と分子間の相互作用ネットワークである「パスウェイ」を同定したことで、うつ病の病態生理の理解に繋がるものである。
 これまでに、うつ病や自殺と miRNA の関連性を調べた研究はあったが、今回のような研究はなく、さらに本試験は人為的なバイアスが結果に与える影響を低減できるデザインであるランダム化比較試験で行われており、この点もこれまでの研究とは異なっている。
 これら miRNA が関連しているパスウェイが示された今回の結果は患者さんにも医療関係者にもわかりやすく大変意義深いものと考えられる。
 
 本研究をまとめた論文が『Journal of Affective Disorders』(インパクトファクター:6.6)に 8 月 15 日(火)付で掲載された。
 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0165032723009242
 
 https://research-er.jp/articles/view/126003

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