28/11/2025
R7年11月25日(火)開催
第112回未来志向 地域医療を考える会
国分寺Wiselyプロジェクト~運動編~
【いつまでも元気に動ける「疲れない体」づくり】
前回に引き続き渡邊悠大先生を外部講師としてお招きし、「疲れない体づくり」とファシア(筋膜)について講義と実技を交えて学びました。
オープニングでは、院長から心不全を例に姿勢による健康維持についてお話がありました。
習慣や環境が脳のマッピングに影響を与え、それが筋や筋膜、さらには関節や骨の変化を引き起こします。変化が筋や筋膜までであれば修正が可能ですが、関節や骨まで進行してしまうと回復は難しくなるため、早期の介入が重要であることを学びました。例えば悪い姿勢の習慣が脳に定着すると、関節痛を招いて膝の変形やO脚に発展するケースが挙げられていました。また、90歳の方がトライアスロンに挑戦しているスライドが挙げられました。若い頃は特別スポーツマンではなかった方が、60歳の時にメタボ改善のために水泳を始めて習慣化した結果、長年にわたり挑戦を続けられている姿に大変感銘を受けました。正しい姿で走る姿から姿勢と健康維持の深い関係性を強く感じました。
続いて渡邊先生の特別講演では、ファシアについてお話がありました。ファシアに浅筋膜と深筋膜があり、全ての器官・筋肉・骨・神経線維および血管系を包み込み、連結しているそうです。筋膜は筋肉だけではなく他の軟部組織にも影響を及ぼします。深筋膜に存在するコラーゲンは細胞同士を結びつけ安定させる役割がありますが、異常架橋が起こると組織の形態のバランスが崩れてしまいます。また、浅筋膜と深筋膜の間にあるヒアルロン酸の粘液が増大すると筋膜の滑走性が低下します。これは、濃度の上昇とpHの低下と温度の低下が主な要因であり、損傷・炎症や不動や過用、高強度の運動での乳酸が発生する水素の影響などが関係しています。改善の方法として、Fascial Manipulationの治療原理を用いた「圧力+摩擦×時間」による操作によって温度の上昇とストレスを解消することを学びました。
実技では、肩甲骨ムービングや目周辺の筋膜リリースを実践しました。特に、鎖骨中間1/3下方を押圧しながら摩擦を加えるトレーニングでは、最初は痛みがありましたが、次第に軽減し、両腕を前から後ろへと回すトレーニングでも肩甲骨で鳴っていた音がなくなり、動きがスムーズになることを実感しました。
今回の講座を通して、姿勢や生活習慣を見直し、早期に介入することが健康維持に極めて重要であると再認識しました。自分自身の身体の状態を理解し、改善のためのエクササイズを習慣化していくことが、将来の健康につながると感じました。
検査部 R.H