30/10/2025
現在高齢者の約3割が認知症を有しており、認知症を抱えながらご自宅で生活されている方も多くいらっしゃいます。 今回は認知症の最終回として、実際に認知症の介護をしていらっしゃるご家族様からの質問や、 私達が関わる上で大切にしていることなどを紹介していきたいと思います。 【ご家族様が抱えている悩みや質問】 Q1 認知症の方に対して訪問看護はどのようなケアを行っていますか? A:認知症の方に対するケアの代表的なものとして回想法があります。 出身地や趣味、仕事などの過去の話をする、写真を見返す、好きだった歌を聞くというものです。 思い出のあるものに触れることで、安心感を生み不安や焦燥感の軽減、認知機能の活性化を促すことなどを目的としています。 料理などの家事や編み物、園芸といった趣味や仕事で行っていた馴染みのある作業を取り入れることもあります。 馴染みのある作業は意欲低下がある場合でもハードルが低くスムーズに導入しやすいため、活動量の向上を図ることが出来ます。 風船バレーやラジオ体操などは、身体や認知機能に刺激が入る運動で自宅でも簡単に行うことが可能です。 双方の機能維持や向上を目的として行います。 他にも清潔ケアや服薬管理なども行います。詳細は前回ご紹介した記事をご覧ください。 Q2 介護に疲れてしまいました。 A:「自分を責めない」ことを第一にしてください。 介護疲れの多くは「もっと頑張らなきゃ」という気持ちから生まれます。 しかし、介護は一人で背負わなくて良いのです。 「今日は無理をしない」「できる範囲でいい」と自分に許可を出すことが、継続の第一歩です。 心身ともに疲弊しているときは、介護サービスを積極的に利用する手段もあります。 訪問看護や訪問介護以外では、デイサービス(通所介護)、ショートステイ(短期入所)、レスパイト入院(社会的入院)があります。 これらを活用することで、介護者自身の時間や休息を確保できます。 「休むことも介護の一部」です。罪悪感を持たずに利用しましょう。 介護は「支える側も支えられていい」活動です。 一人で頑張りすぎず、頼れる制度・人・時間を上手に使いながら、あなた自身の生活や笑顔も守ることを是非大切にしてください。 Q3 昼夜問わず1人で外出してしまうことがありますが、無事に帰宅できるか心配です。 A:認知症の方のいわゆる「徘徊」と呼ばれる行動は、周囲で見守るご家族様にとっては目が離せなくなったり事故の心配があったりと、とてもお困りになることが多いと思います。 しかしご本人にとっては外出する理由があることが多いため、まずはご本人の訴えを聞き、なぜ外出したいと思ったのかを聞いてみましょう。 時間や場所の見当識がつかなくなっていたり不安を感じていたりすることで「家に帰ってご飯を作らないと」「仕事へ行かないと」などと訴えられることがあります。 本人のお話を聞き、その気持ちを否定せず外出する必要がないことを伝えられると良いと思います。 また徘徊の症状に対しては普段から対策できることがたくさんあります。実際にいくつか例を紹介します。 ① ご本人の馴染みの場所や人、普段の散歩ルートを把握しておく。 特に近所の人にはあらかじめ協力をお願いしておくと安心です。 ご本人から外出したい申し出があった際は先述のように傾聴しご自宅にいていただくことも良いですが、時には一緒に外出することで、散歩ルートや馴染みの場所を知るきっかけにもなります。 また私たちのような訪問サービスでも外出同行が可能なため、屋外歩行を通して情報収集をすることもできます。 ② デイサービスを利用する。 夕方以降になると外出の訴えがある方などは特に、日中の活動量を増やすことができ、生活リズムも整うことで夜間しっかりと休息をとるというリズムをつくることができます。 またデイサービスで役割を持つことでやりがいや達成感に繋がり、精神的に安定して徘徊を予防することができます。 ③ 名札や見守りサービスを活用する。 ご本人の持ち物に名札を付けることで安全を守れることがあります。 保健所や駅などで配布しているヘルプマークやヘルプカードを利用するのも良いと思います。 また現在はGPSを利用したみまもりサービスというものもあります。 (豊島区公式サイト ヘルプマーク・ヘルプカード) 【私達がケアする上で大切にしていること】 認知症になると認知機能の低下により、今までのように生活を送ることが難しくなることも多いと思います。 しかし、認知症ケアでは認知症の方の尊厳を守ることを第一に考えることが大切で、その方の思いや個性を尊重しその人らしく過ごせるよう心のケアも重視しています。 些細なことであってもその人の中に残っている能力を発揮できるよう環境を整えたり、それを引き出すケアを工夫することは、体の機能や生活の質の維持だけでなくその方の自尊心を守ることにも繋がります。 注意しなければいけないのは、覚えられないことを「何度も言っているでしょう。」「覚えていないんですか。」と叱責したり強引に介入を進めたりしようとすると、ご本人は不満や不信感を抱き介護への抵抗感が増したり、BPSD(周辺症状)を助長してしまいます。 そのため介護者の適切なケアやコミュニケーションにより不安を取り除くことが重要です。 【最後に】...
現在高齢者の約3割が認知症を有しており、認知症を抱えながらご自宅で生活されている方も多くいらっしゃいます。今回は認知症の最終回として、実際に認知症の介護をしていらっしゃるご家族様からの質問や、私達が関.....