12/11/2025
11月7~8日やまぎん県民ホールで日精協の精神保健福祉士研修会+ 仙台保護観察所齋藤真喜子調整官の講演会に参加してきました! 医局スガイです。 やまぎん県民ホールで日精協の精神保健福祉士研修会に行ってきました。 特別講演を担当された齋藤真喜子調整官は、2023春まで当院に精神保健福祉士として在職、医療観察法病棟の立ち上げから9年間タッグを組んできた、思い入れの深いスタッフ。彼女が講演で取り上げた事例は私が担当医として彼女ほか担当チームと議論しながら社会復帰調整を進めたケースでもあり、彼女の講演聴きながら医療観察法病棟医としてこの十年、本当楽しく過ごせたよな、と特別な感慨がありました。このおっとりした穏やかな雰囲気とは打って変わって、この人はワーカースイッチが入ると妥協を許さず丁寧に仕事をしたがり、尖って本当手ごわいです。実は医療観察法病棟は私とも結構仕事をしていたベテランのワーカーが当初担当するはずで、彼女はサブで病棟を担当する予定だったのですが、諸般の事情でベテランのスタッフが外れ、彼女が主担当になって病棟オープンを迎えることになった。ということで実は彼女とはほぼ一緒に仕事したことないまま病棟を一から立ちあげることになった。 もし、最初予定されていたベテランがそのまま担当していたら、彼は私と精神保健福祉法で仕事を相当やっていたこともあって、先生はこういうところにこだわるから、とある意味予定調和のチーム医療になっていたと思うのですが、彼女は妥協を許さず丁寧に支援体制を突き詰めたい人なので、私が考える現実路線に彼女があまり納得できず…ということがしょっちゅうで、彼女と仕事をすると全く予定調和にならず、バトルが本当、大変でした。でも彼女と私でこのあたりが収束点かなという対象者の社会復帰の方向性を見出していく過程が古典的なチーム医療の階層構造(医師の指示のもとチームが動く)ではなく、チームが均等に議論して対象者の社会復帰の方向性を見出していく非常に医療観察的だった? 彼女から先生、ちょっとと呼ばれて今度私調整官になりますので…と報告を受けた時はそうか、これからはああいうバトルができないのか、とちょっと真喜子ロスに襲われましたが(笑)、アクセスの悪さを埋める丁寧なフットワークを信条とした病棟を作っていこうという病棟医の理念に彼女が共鳴してくれて、仕事しているうちにもっとこの仕事を極めよう、と彼女は今の仕事を選択するに至ったので、いいスタッフの人生の決断に自分もちょっと関われたし、自分が苦労してきた病棟運営って決して間違ってはいなかったんだよなとうれしく思っております。調整官の益々のご活躍を祈念しております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 真喜子調整官は私と付き合い長く、私の芸風にとても慣れているので、お約束のまきこ。さ〇こ、私の3ショットです(笑) 今回の研修会ですが、多職種連携のハブ的役割を果たすべき精神保健福祉士の研修会ですが、医師が参加しても気付きが多く、面白かったです。初日のシンポ、若宮さんの多職種で取り組む発達障害支援プログラム、子育て支援プログラム、一部自由診療も取り入れながら柔軟にプログラムを作り上げているところ、本来こういう取り組みをもっともっとすべきなのに条例やいろいろな規約に縛られこういう自由度の高いことがなかなか出来ない自分たち自治体立は日精協、自治体立の垣根を超えて学ぶべきかもしれませんね。最近色々な講演の座長をオンラインでやってるせいか、講演聞くと何か質問しなければ…という強迫観念におそわれるようになって(笑)「ワーカーでもない、しかも日精協でもない自治体病院の医者が紛れ込んでいて質問しますごめんなさい」、とか何回もやっていたら、日精協の重鎮の先生が閉会に当たって今回学会は日精協だけでなく自治体立の先生も議論に入っていてとてもいいとお褒めいただいて恐縮でした(笑)。 真喜子調整官の講演、医療観察法の話は病棟を経験しないと異質なイメージがあるかもしれませんが、患者さんの支援体制を丁寧に構築しよう、クライシスプランやケースフォーミュレーションの作成、患者さんの病状悪化時の対処戦略を如何に練るか(クライシスプラン)、患者さんの他害行為にどういう要因が絡んで行為に至ったかをシェーマとして整理して支援者で共有しようという考え方(ケースフォーミュレーション)を実際のケースに触れながらわかりやすく説明していただいていて、患者さん、とくに困難事例の社会復帰支援にかかわる全スタッフは、一度は彼女の講演聞いたほうがいいかもしれません。日精協の講演のほうが先になってしまいましたが、病院として公式に講演会お願いしたいですよね。 もう一つ、自治体立病院ですが、時代の要請に応えた新しいデイケアの在り方を探ろう、と視察などは結構組んでもらえるのですが、学んだ内容をでは実際どう取り入れていくかというところまでなかなか話が進まないのが実情…。予算を組んでわざわざ県外の病院まではるばる視察する前に、県内でいろいろ面白いことを柔軟にやれている民間病院とも日精協、自治体立の垣根を取っ払って看護、ワーカーレベルでもっともっと連携強化が必要かもしれません。お金をそこまでかけず、当院の今後のこども医療の在り方にもずっと有益な情報が間違いなく得られると思います。ぜひ、ご検討ください。
11月7~8日やまぎん県民ホールで日精協の精神保健福祉士研修会+ 仙台保護観察所齋藤真喜子調整官の講演会に参加…