21/04/2026
この本を書きたいと思った理由は、人と再び触れ合うということ・今いる世界を信じてみようと思うこと。
性暴力がいかに人の人生を支配し、破壊するか! を知っていただきたかった。 ~ 「やっと言えた」(斎藤美衣著・医学書院・2026刊)を、一気に読みました ~ 〈性暴力のトラウマの呪縛から抜け出していく生々しい姿を描いた〉 送迎と話し相手のボランティアから始まって40年。 トラウマから回復の途上にいる人たちを見てきました。 一歩前へ出るときもあれば、立ち止まってしまうときもある・・・。 家族との関係が豊かになるまで、伴走してきました。 あなたも寄り添える人で、あってほしい。 何人かの 性暴力の話を聞きました。 小学生の時の性暴力体験を語ってくれた女性は、ボランティア仲間でした。60年間冷凍保存してきて、亡くなった夫から、“お前は冷たい女だ” と言われたこと。 にこやかな方だったので、とても驚きました。 そして、あなたの身近なところにも、そのトラウマに苦しんでいる人がいます・・・。 ずっと言えない人、もいます。 Be there 共にある。 あなたは、そういう人でいてほしい。 この本を一気に読めたのは、何人かの方から聞いた同じような生々しい回復の物語だったからです。 〈斎藤美衣さんが、この本を書きたいと思った理由は二つ〉 襲ってくる死にたい気持ち。制御不能な自傷的行動。苦しみをどうにかしたくて西尾さんのカウンセリングルームの扉をたたいた著者。 そこでの3年にわたる苦闘の末に見たものとはー。 “本書の根幹には、わたし自身の体験がある。9歳のときに性暴力被害に遭い、その事実を40年近く 自分の中に封印し、表面的には忘れて過ごしてきた。抑圧された深い傷はわたしの人生を大きく損なってきた。 カウンセリングの後期に西尾さんが言った。“あなたのこれまでのカウンセリングは、性交 を探す旅 だと言えるかもしれませんね“。 (p.184,190) “心を触れ合う性交がしたいと願いながら、わたしは心を動かすのが恐ろしかった。そんなことをしたら自分がどうなってしまうのかわからなかった” (p.66) “もう一つの理由は、“性暴力がいかに人の人生を支配し、破壊するか” を、読者の皆さんに知っていただきたかった。 ケアされることなく40年近く凍結していたわたしの傷と、そこから生まれる無力感、 絶望感、恥の感情は、およそ3年にわたる苦闘によってやっと見出された。わたしと同じように、人生を 破壊されるほど深い傷を負った人が表層で見せるさまざまな現象を、「病気」や「障害」という名前で 片づけてしまわず、傷そのものに支援が届くことをわたしは切実に願う“ (p.190-191) 〈カウンセリングと回復のらせん階段〉 西尾さんとのカウンセリングの初期に、“もしカウンセリングの中で傷ついたら教えてください” と約束した。人は悲しい・さみしい・辛いという心の動きを認めて、初めて傷つくことができる” (p.82) このころには西尾さんを自分にとって大切な人だと思っていた。 初めてセックスではない心の触れあいを求めているのに、したくないセックスになってしまう。 この日以降、とてつもない体調の 悪さと、絶え間なく襲ってくる希死念慮の中に理由もわからずいた“ (p.93) 自殺企図、措置入院。 警察に連れていかれ、そのまま7週間の措置入院に。その大学病院で、わたしは「双極症」だと診断。男性と会いたくなることも、性的逸脱だとされた。 わたしがそれをどう感じているか、どんなふうにわたしが苦しんでいるかについて尋ねてくれることはなかった。(p.96) 生きるために失くしていたものを再び手のすることは、とても怖いことだ。わたしは揺れながら、恐れながら徐々に、感情を感じることに自分を開こうとしていた“ (p.108) 他者と新たな関係を結ぶということは、「支配-被支配」ではない世界に足を踏み入れるということだ。 それは同時に、これまでわたしがなかったことにしようと必死に意識下の押し込めてきた出来事と、向き合い始めることだった。 (p.119) そうかもしれません。わたしはこれまで誰にもガーゼでくるんだ赤ん坊のことを言えませんでした。 でも不思議なんです。最近、このときのことをよく思い出します。 (p.125)...
性暴力がいかに人の人生を支配し、破壊するか! を知っていただきたかった。 ~ 「やっと言えた」(斎藤美衣著・医…