02/10/2025
~対人支援(SW)の熟成 ⑨~ *SW(ソーシャルワーク)~社会的に困難な状況のある人の相談・支援をすること。 35年ほど前、送迎と話し相手のボランティアを数人で始めました。5年ほどして、プロを意識し始めました。 16年前、ある先輩から “孤立者支援の相談室で、メンタル系の相談に応じられる人を増やしたい” と声がかかり、対人支援の世界へ飛び込みました。 多くの人たちと向かい合い、「身体知と言語~対人援助技術を鍛える」(奥川幸子著・中央法規・2007刊・*対人支援の熟成①~④をご覧ください 対人支援の熟成リンク①・②・③・④ )を読むなどして、対人支援の熟成について考えてきました。 しかし、この本を何回か読んでも、最後の対人支援の熟成の項に来て、いつも整理つかなくなっていました。 支援者だけが熟成するのか、相談者ともども熟成した関係になるのか? ① 〈こどもに対して、一人の人間として向かいあってきました〉 “僕はあなたをガキ扱いはしないよ。一人の人間として向かいあうから” と、初めて会ったこどもに伝えます。 そして親と会って、こどもとの関係や、居場所になっているかを聴きます。 中には、こどもが親と会わせることを拒否する例もあります。時間をかけて会う努力をします。 祖父母と先に会う場合もあります。 拒否するのは、何らかの虐待があることが、そして具体的な理由を言わない子が多いです。 虐待を受けても、親が大遊園地へ連れて行ってくれたことを、嬉しそうに話す子も多いです。 友人らとのつながりができてくると、自然な形で親ともつながります。 親が離婚しているときは、了解を頂けたら、離婚した相手に会います。 祖父母と会うのは、親がどういう環境で育てられたかなどを知るためです。無償の愛を感じることが多いですね。 無償の愛 というものを知らない親も多いです。 家族の生きる力や死生観などを聴きます。そして、キーパーソン(支えるうえで一番重要となる人) となる人がいるかを探します。 家族の中に何らかのケアが必要な方がいる場合もあります。 何とかなりそうな方から順に、関わります。家族の誰かが変われば、周りも変わり始めます。 連携や支援チームが必要な場合もあります。 ② 〈指導するのではなく、寄り添う〉 35年ほど前、“送迎と話し相手” のボランティアを始めました。(孤立・貧困・トラウマ) 一番長かった傾聴は、3時間でした。そのお年寄りは、人生を話し切って満足したようでした。 3年後、ボランティアグループを立ち上げましたが、5年ほどで解散。その理由は、“話を聞く” ことに疲れてしまった仲間が多かったから、と思います。聞くって、エネルギーが必要です。 精神科の若いSWさんから、“田中さんはボランティアのプロですね” と言われ、プロを意識し始めていたころです。 ボランティアにもプロはいるんだ! そう思いました。 長野県東信地域で活動しながら、尊敬できるプロを探し、何人かと出会いました。 16年前、“孤立者支援の相談室でメンタル系の方の相談に乗れる人を求めている” とある先輩から声がかかって、即 “やりたいです!” と対人支援の世界(月給)へ飛び込みました。 その相談室の基本は、“来た人を断らない。支援会議には本人も参加する” でした。 “あの相談室は親身になって相談に乗ってくれる” との評判が立ったようでした。 16年間の話を支援専門職の方と話していて、 “支援連携する人と、一度もケンカしたことはないです” と言うと、皆さんから “それはすごい!” と、予期せぬお褒めの言葉をいただきます。(笑)...
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