31/10/2025
鍼治療では…、
臓腑経脈の気の流れの失調…乱れを脈診などから察知し調整して体調不良を治そうという伝統医学ですが…、
腰痛など整形外科的な痛みの治療では、脈診も臓腑経脈の気の流れの調整も関係なく…痛いところ…腰痛なら腰だけに鍼を打てばよいという鍼灸師が多い。…大多数かも知れない。
鍼灸の科学化…を唱え、神経解剖学的観点からの鍼治療を行った恩師(鍼灸医学への功労が認められ勲章まて授与された方だか)は、『腰痛に脈なんか診て治療したってなにも変わらない』と言っていました。
また、開業して知り合った先輩鍼灸師で伝統医学としての鍼灸を旨とし鍼灸院の名称を「陰・陽、虚・実、表・裏、寒・熱」の八つの診断要素か治療すると言う意味で「八綱治療院」の名にした先生だったが…、やはり、痛みの治療では「陰陽虚実表裏寒熱」を弁別する必要はないと言っていた。
私は…
整形外科的な…腰痛などの痛みにも、脈診、舌診、腹診、切経(経脈的触診)などからの治療で効果を出していて、これら…無しでは、鍼治療が成立しない…と思っている。
本日の…腰痛患者さん…
『上を向いて寝ていても…うずく…ような痛みがある』と言う。
脈診では…有力、六分定位脈診…左尺中有力・右関上緩弱、舌診では…胖大やや赤紫色、苔薄白津液滑潤…右下肢シビレがあり重だるい感じ、切経では…項部右に硬結、右肩貞付近に硬結…など…。
…鍼治療…は、仰臥位で
三陰交、内庭(瀉法)
足三里、陰陵泉(瀉法)
右太陽経脈「足:申脈、手:後谿」(双手瀉法)
右足臨泣、陽陵泉(瀉法)
・・・以上で…仰臥位でのうずくような痛みは消失…てす。
このあと…腹臥位に変わり、腰椎側刺鍼(神経解剖学的鍼治療)を行うと腰痛はほぼ完全に消失です。